ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

三河 葵の姫君

2011-01-11 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
初音「反物ぉ♪見てみたいわ!」とお祈りのポーズと上目遣いで懇願し、
楓「私に似合う反物、見立てて下さい」と、値段を聞く以前にもう買う気満々である。
おそらく、購入代金の請求は佐藤の親父に回るだろう。それはいいとして、
初音「そうだ!姫たちも見たいんじゃない?」と一応先輩だから、姫に気を遣う後輩だった。
好青年「姫?」
楓「姫なら、絶対青いのがいいわね!」
好青年「葵の姫君?ここに姫様が泊まっておられるの?」
初音「三河の姫様よ♪」
好青年「…(三河の葵?)」
楓「ねぇ、ここを片付けたら、私たちの部屋に来て下さいな。反物を広げて見せて♪」
好青年「分かりました。お茶を飲んで、すぐここを片付けましょう」とにっこり笑った。
白い歯をキラリ☆と見せて微笑む青年は人に三秒もかからずに好印象を与え、模範生ともいうべき礼儀正しいその姿勢及び態度は完全に未亡人を術中に嵌めた。
サッサッと洞窟内を片付け、鳥海山荘の部屋に急いだ。しかし、部屋を掃除してなくて…、
初音「ちょっと!待って!」とサァ~…と汚い部屋を片付け、好青年を部屋に招き入れた。
楓「私、姫たち呼んでくるぅ」と位置に付いて用意ッドン!で突っ走った。
初音「あ!お茶とお茶菓子もお願いっ!」と韋駄天走り(俊足)※の楓に向かって頼んだら、楓は右手をギュッと握って、親指をニュゥと挙げて了解!のサインを出した。
好青年「クスッ(韋駄天走りの忍者走りか)…君たち双子?」
※当時の一般庶民は走り方を知りません。職業柄飛脚や忍者、武士、また、それ以上の階級で訓練を受けた者は走る事が出来ました。昔、走ることは一種の特殊技能だったようです。
初音「やだぁ。この時代に双子ってあり得ないわ。私たち年子の姉妹なの」
好青年「そうだね。双子ってあり得ないよね」とにっこり笑って、笈から反物を取り出し、みんなに見せる準備に取り掛かった。反物の準備が出来た所で、姫たちにお茶菓子を持ってもらって、お茶を持って楓が戻って来た。
好青年「すみません。ありがとうございます」とお茶を出されたので、頭を下げ、
瑠璃姫「初めまして。素敵な反物があると聞いて…。お邪魔します」と頭を下げた。
好青年「こちらこそ…」と瑠璃を見つめて、にっこりと笑った。
瑠璃姫「…(この笑顔、どこかで見たような気がする…)」
冷泉院「呉の反物って京の舞妓さんたちが着てるやつでしょ?どんな柄があるの?見せて♪」