ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

問題児

2011-01-03 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
河合「いや、いらねってそんな紙きれ…」先生って、資質と人格の問題だろ。
義経「最初(はな)っから資格なんていらねぇんだよ。教える、伝えるって気持ちだけでいい。匠にも鷹匠になれって言った時、弁慶が言ってたっけか『最初はみんな始めまして』って。最初から先生っていないだろ。教壇に立ってから場数踏んで先生になって行くんだ。教壇から生徒の顔よく見えるけど、生徒の方が先生をちゃんと心まで見てやがるし、生徒って敏感だよ。そういう敏感な生徒からの洗礼受けて先生らしくなるんじゃねぇの?
河合さん、不意に自分の知識をしゃべったろ…それでいいんだよ。伝える心・教える心って単純で純粋なもんだ。なぁ、そうだろ」と松尾に同意を求めた。
松尾「そうそう。そろそろ人前に立たせたいと思ってたんだ。やれ!」と河合を指差した。
河合「指名してくんなちゅーの!」
海尊「というわけで、河合さん。よろしくぅ!」
義経「お願いします、だろ!」と敬礼させた。
河合「ん~ぅ~」と渋い顔(…別にダンディとかそういう意味じゃなく…)をしていたから、
松尾「若い奴らには、マニュアルにない知識が必要だ。生きるに余計と思しき知識をたくさん有しているお前だから教えられることがある」世渡り上手いもんな。
義経「そういう余計な知識が心の余裕と豊かさが人を変える。教え伝える立場に立てば、何をどう伝えるべきか見えてくるって。悩み多き若い奴たちをよろしくっな♪」
河合「おいおい、プレッシャー与えてくんなちゅーの!」
義経「おっ!プレッシャーに感じたって事は、教える気になったって事だ。じゃ、頼んだよ」
松尾「夜明けまで語って、若い奴らの悩み相談でもしてろって」明日は下山だ。
義経「いやぁ、助かるよ。やっぱ子供だけで登山はちょっと心配で保護者が必要だなと思ってたんだ。それに海尊は緊急事態におちゃらける奴だから…多角的な視点での注意が必要だ」
河合「ただの手の掛かる問題児じゃねぇか!」
海尊「まぁまぁ。それは良いとして、じゃぁあねえぇ~」と二人ににこやかに手を振った。
河合「おぉ~い」と呼び掛けも空しく「結果とかどうでもいいのかぁ!」と大声で叫んだが、
義経「結果は後から付いてくるから!じゃあーなぁー!!」と手を振って、松尾と二人で匠の様子を見に行った。
河合「出来る出来ないの結果より努力と過程を重視かよ…」
海尊「あの人…努力しない奴とか大嫌いなんだ…」それに本人も絶対諦めない人だし…。
河合「義経って、かなりの苦労人で、ある時期から、かなり荒れてたって聞いたな」