ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

森の鬼退治・戦の鬼と、花

2012-01-13 | 森の鬼退治
池田と、せんと本多は後に深い関わりを持つ事になる。
泉「ありがとうございます」小さく頭を下げ、ゆっくり顔を上げた。
松明に照らされた本多様のお顔と逞しい腕が見えた。それをぼんやりと眺めていたら、
池田「泉、失礼だぞ」
泉「は…申し訳ございません。本多様の、甲冑のお姿しか拝見した事がなく、」…うつむいた。
本多様は前立に大きな鹿の角をあしらった鹿角脇立兜、姉川の合戦での活躍が信長様の目に留まり『花実(かじつ)兼備の勇士』と讃えられた。
戦法は長可と同じく、単独で敵陣に突入する、けど「戦では、かすり傷一つ負わないとか…」
血の気多く、無茶しがちな彼とは似て非なる方で、羨ましく思った。
本多「…長可殿は、」武田征伐の際に手傷を負って「…大事ないですか?」
泉「大事…、ありません」見え透いたウソだった。小指が切断され…出血がひどく、
池田「もういい。長可に付いてやれ」
泉「はい。では、本多様、失礼仕ります」礼をして、下がっていった。
本多「…」彼女の、か細い背中を見送り「長可殿の…白装束は、いつからなのですか?」
池田「さぁ、いつからでしょう」家督を継いだ13には、死に装束(死ぬ覚悟)をまとっていた。
…だから、家族を持たせたい、そう思うのは父の、私のエゴかもしれない。新たな家族を持ったなら死をまとう事、止められる。その役目を泉が果たしてくれるなら…と、その後、二人の結婚を許した。長可もこれを機に死に急ぐことはあるまい、死に装束を脱いでくれると信じた。しかし、本能寺の変が起き、再び死をまとった。
我ら主君が討ち取られ、織田後継者 信忠が死に、
“池…田様、気を、つけて…”
池田「蘭丸が、討ち取られた…?」
泉「そ、そんな…、幼い子たちまで、どうして…」
長可「武功は武功だ」三人の弟たちの死に涙も見せず、ただ、グッと堪えた拳を作っていた。
ポタッ、切断された小指から血が滴った。
泉「長可…」森家で残されたのは彼と、一番下の弟 千丸のみ。
私は白鬼の血の涙を受け「千丸は、私が守ります」再び、鉄砲隊長を志願した。
とうとう織田後継者争いが起きたのだ。信長の孫 三法師(後の秀信)を押す秀吉と、信長の、最愛の方 吉乃(きつの、生駒方)様の忘れ形見 信雄(のぶかつ)を援護する家康との戦いで、
池田「我ら、信雄殿をお守りする」家康方に付き、陣を取った。しかし、


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