ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

森の鬼退治・敦盛と熊谷

2012-01-11 | 森の鬼退治
明智光秀「始まりましたよ、信長様の敦盛…」彼が三人の間を取り持ってくれる。
池田「ほ…」明智がいてくれて助かった。彼は聡く場を取り成すのが上手い。難しい交渉や朝廷への使者も担ってくれる。ただ、私たちよりも高齢で…彼、亡き後どうなるか。
その不安は信長の同じで、その不安を抑え、死者の鎮魂のために信長は舞う。
『敦盛(あつもり)』
敦盛は敵に背を向け、馬を走らせた。それに対し、
熊谷「敵に背を向けるとはッ」
敦盛「ならば、」馬を止めて「この首を、取れ」兜を脱いだ。その顔を見ると、
熊谷「年は?」
敦盛「16」の美少年だった。
熊谷「…この場から立ち去られよ」逃そうとするも、
敦盛「敵に、背は向けられん。私を打て」と首を差し出した。
首を落とした熊谷直実(なおざね)は16という息子と同じ年頃の、その若い命を人目にさらしたくないと敦盛の首をこっそり盗んで、別の場所に埋めた。
(後世、二人を弔う霊廟が高野山に並んで建てられました)
若い頃は敦盛に感銘を受けた。今、私も子を持つ親となって、熊谷の、父としての気持ちを考えるようになった。戦での情けは無用、しかし、人として、父としての熊谷の行動が私の心を打った。信長も四十後半に差し掛かり、舞に変化が生じた。年(寿命)のせいかも知れん。
…人間五十年 化天(第六天の寿命)の内をくらぶれば 夢幻のごとくなり
一度生を受け滅せぬ者の有るべきか…
死のうは一定 しのび草には何をしょぞ 一定語りおこすのよのう
(生ある者死ぬ定め、人生50限られた生の中で死に囚われる事無く生きる…それが、悟り)
信長は、第六天になれるものならなぁ、そう零した事がある。長い寿命を持つ第六天になれば、世を泰平にする事叶う。人ひとり、五十という寿命では泰平には足りない。一人天下を治めたとしても維持するのは困難。それ故に後継者がいる。だが、周りが危惧するように織田家では育ってはいない。これでは先代斯波、土岐氏族の二の舞だ。相続争い、そのドサクサに紛れ、家臣が謀反を起こす。天下を狙う鋭い目と、この緊張感の中で糸が弾かれたら…。
せめて、長可と蘭丸が独り立ちするまでは「と、」酒が差し出された「君は、本多…」
本多忠勝「お考え事ですか?」この者とは何かと縁深く、話す機会が多く、
池田「君も、同じ悩みがあるのでは?」酒を酌み交わした。


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