ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

森の鬼退治・鬼に鉄砲

2012-01-08 | 森の鬼退治
ぐるぐる巻きの包帯が見えた。パッと、彼は羽織を正し、それを隠した。けど…、
蘭丸「にぃちゃん、それ…、まさか、お前がッ!」
池田「…」今度は私が標的か…?
泉「このぉ、やんちゃ丸ッ!父上様になんて事をッ」
蘭丸「え…」一瞬、動きが止まり「ちち…う、え…うえぇー」泣き出してしまった。
泉「ら…蘭丸」彼はお父上様と一番上の兄上様を亡くしたと聞いていた、だから「…ごめん」
勝蔵「泣くな、兄ちゃんがついてる」懐に弟を埋めて、慰めていた。弟思いの兄なのだと分かった。多感な時期に父の死を経験し、私は信長の若かりし頃を思い起こしていた。
17で父を亡くし、人質だった兄も死んだ。次男でありながら家督を継いだが、その時、悲劇が起こった。信長の教育係 平手政秀が諌死(かんし)…織田家の家督相続争いに平手様が息子を押すのでは、との疑いが浮上したのだ。この一件を治めるため、彼自ら死を選ばれた。
さすがの平家赤鬼といわれる彼も堪えたらしく、泣いていた。そんな己と子鬼たちの生い立ちを重ね、織田「こいつらを引き取る」と言い出した。それは良いとして「教育係、頼むな」ポン、私に子鬼どもを預けて、
池田「ふぅ…」参った。
勝蔵「…」無口で何を考えているのか分からん。蘭丸は、
泉「ほら、男の子でしょッ」感受性が強く「いつまで泣いているの」不安定だった。
勝蔵と年の近い泉が弟たちの面倒を見てくれ、助かった。よく世話を焼いて…、
勝蔵「余計な事をするな」
やっと口にした言葉がこれだ…。先が思い遣られる。
泉「なッにぃ!」今度は、こっちの二人に険悪なムードが漂って、
池田「泉、少しお淑やかにな…」
サッと、懐から、
勝蔵「短銃(拳銃・ピストル※)…」を突き付け、
泉「試してみる?」と勝蔵に短銃を「バーンッ」と空打ちした。
池田「泉ッ」
※当時、火縄銃の小型改良版、西洋の短銃を作らせていた。その試作品の、
蘭丸「カッコイイ」おもちゃのピストルを「貸してッ」
泉「はいッ♪」コロッと、池田「…泣き止んだ」それには、
勝蔵「くくっ」小さく笑っていた。弟たちの扱いは泉の方が上手のようだ。


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