ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

陰の存在

2010-11-12 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
その休憩中に鳥海山の説明を入れるが、この山は日本百名山の一つに数えられ、富士山と同じく成層火山であり、複数回繰り返された噴火により円錐状に隆起する山となった。
その美しさは秋田富士、出羽富士とも呼ばれ、その影が日本海に写るさまは「影鳥海」と呼ばれている。鳥海山には固有の花である5弁の白い花チョウカイフスマ(月山にも咲く)、紫色のチョウカイアザミが咲き誇る。その山野草を見て、
義経「可愛い花だなぁ」可愛いからって摘んで持ってっちゃダメだぞ。これは絶滅危惧種だ。
河合「ちぇっ…」薬草に出来るかと思って…伸ばした手を引っ込めた。
松尾は、じー…と砂地でも育つという芯の強そうな女を思わせる大和のナデシコ科(か?)のチョウカイフスマを見て、淡い若緑と強い風に揺れ動く女心を詠んだ。
松尾「…松島は笑うが如く、象潟は怨むが如し 
寂しさに悲しみを加えて、地勢魂を悩ますに似たり」としんみり詠んで、日記に認めた。
さらさらぁ~と。
松尾が見た頃の風景は、八十八潟 九十九島が広がっていて、かの松島を思い起こさせたのだ。
義経「ふぅん…で、それが巴の気持ちなわけ?」悲しき影の象潟(さきかた)って…
松尾「…」
義経「巴って…影武者…」ただ、三姉妹ってのは初耳だ。
松尾「…(下手に詠えないな、自然と人の心を)」バックに気付いた…?
河合「さっ!そろそろ行こうかっ!」と話を強制打切して「山小屋まで急ごう!」と促され、チョウカイフスマの群生を後にした。
鳥海山は、1804年に噴火大地震を起こした。それが「象潟(さきかた)の大地震」である。
この地震&噴火により大地が隆起し、現在のような陸地になったとされる。
この山に祀られる大物忌(おおものい)神さんは穢れを清める神であり、今でも多くの人々の信仰を集め、祀られている。まつりごとは、もちろん、噴火地震が起きないように、と。
地震噴火は神のストレス?と怒りの表れと考えられていた。そのストレスを宥め?怒りを鎮めんがために、噴火地震の度に神級進級?(神の位をUP)昇格させていた?という話もある。
人間も神も同じで、ストレスに弱い。溜め込んだらダメだ。本音を吐こう!
心を落ち着かせるために?神意神位神威をUPさせるために?時には地震と噴火を試してみてはいかがかと思う。ただ、小爆発に限るぞ。ぼっかーんとでっかいのは、手に負えん!
義経「あ、ちょっと待て!」と河合の腕を引っ張った。ムズン、グゥインッと強引に。
河合「ン?」と義経の視線と指の先を追うと、