ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

高祖の血

2010-11-02 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義経「…かなり脚色してあるが、詳しいな、冷」
冷泉院「だって…私…冷泉…って、ほらぁ、名前が一緒じゃない♪」と誤魔化した。
義経「ここでそういう誤魔化し狸は通用しない」と一睨みしたら、
冷泉院「う゛っ…実は…私、冷泉帝が高祖(直系血族)で…冷泉院って、そこから名前を貰って…。で、でも、高祖父がっての事だし」私関係ないもんと口を尖らせたが全く可愛くない。
義経「あのな。関係ありませんで事が済まねぇから源氏の血を引く俺らの命が狙われてんの」
富樫「それに関係ありありだ。紅葉狩りの勅命を下したのは、その冷泉帝だろ」物語の細部を逃しちゃだめ、だめ!と口元でチチチッと人差し指をメトロノームみたいに動かした。
義経「確か…鞍馬が“お前ら”にまつわる鬼那(きな)臭い夜叉女の伝説って、言っていたな」
お前らって…俺と冷のことか?でも、紅葉狩りの頭領は平 惟茂(これもち)だ、怨むんなら平家じゃねの?と自問自答を口にした。
富樫「ふぅーん、昔は源氏平家も桓武平氏一族であんま関係ないんじゃねぇ?」俺の祖も桓武平氏の流れを組む越後平氏で八曜紋、替紋が鹿角紋だし。常陸平氏・信濃平氏と同族で、なんでこんなに同族が増えたかって?質問されてないけど答えるよ。養子だ、養子。
多くの優秀な養子を取ったって話だ。その養子の一人が、平惟茂だ。
義経「ふーん、で、やっぱ、富樫って八曜紋だよな」このTシャツ(九曜紋)をクイって引っ張って「富樫が注文したんじゃねぇの?」陰陽系の厄除け?
富樫「あん?俺じゃねぇよ」カッコイイから着てっけど。俺らの紋って真ん中の星ないよ。
弁慶「そういう陰陽系の話なら、賀茂女が詳しいだろ」あいつ陰陽師で、妖怪1/4だし。
義経「うぅん?ま、志鷹の修行が終わってから聞いてみるか…」と腕組みして考え事をしていたら、ちょっとウトウト…。こっくりこっくり…で、寝た。
富樫「おいっ。義経の奴、寝たぞ」と小声で弁慶に伝えた。
弁慶「よし、サブロク…いけ!」と隣の部屋を顎で指し示し、
サブロク「面倒な事ばっか俺らにやらせるぅ」と必ず一言文句を言うが、ちゃっちゃと行動に移して布団をササッ引いてくれる。えらい奴らだ。引かれた布団の上に弁慶は義経をぽーいとほっぽって、富樫「おいおい、風邪引くぞ…」と布団の中に入れてくれた。あんがと…。
スー、パタンと隣の戸を閉まって、
富樫「さぁッ!うるさいの(義経)が寝た。呑むぞ!牛さんの親睦会&出産祝賀会だ!」
瑠璃姫「わっ、私、疲れたからお風呂に入って寝るわ。また今度ね♪」と永遠に来ないと思われる“またの機会”を社交辞令的に口約束し、かつ、丁寧にすっぱりお誘いをお断りし、