ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

同じ穴の狢たち

2010-11-03 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
冷泉院「私も温泉にゆっくり浸かるぅ、小町の湯入れなかったし」と、風呂の準備にスクッと立ち上がり、ササッと祝賀会から一抜け二抜けした。その後、別の部屋を借りてゆっくり寝たらしい。もちろん、後から聞いた話だ。
牛さん「親睦会かぁ♪うしっ!」と呑む気満々であるが深い酒事情を知らない牛さんで、瑠璃姫はにっこり微笑んで「じゃ…」と涼しい顔で立ち去った。パタンと絞まって、
瑠璃「(ごめんなさいね、牛さん。かなり深い、酒の親睦が始まるの…明日はないわ…)」と内心、思った。
牛さん「ん♪じゃ!」と杯を持ち上げ、誰も頼んじゃいないのに「カンパーイ!」と勝手に音頭を取った。
富樫「おっ♪おっさん、呑める口か!?」と勝手に思い込み、
弁慶「おめぇらも呑めるだろ!」とバンバン注いで注いで…2時間後グロッキー状態でダウンした牛さんと佐藤の妻ら&サブロクの妻ら…で、
サブ「よえぇ。そんなんじゃ一人前のくの一になれんぞ」と寝てしまった、くの一に言った。
ロク「なぁ、そろそろじゃね?」胎太鼓をぽんぽこ打つ真似をして、
富樫「そうだな…じゃ」と場所を変えて呑むことになり、グロッキーらを部屋に放置し、外に出てテクテク歩いて、
弁慶「やってるかい?」と洞窟居酒屋『同じ穴の狢(ムジナ・狸、ハクビシンや穴熊を指す)』
の暖簾を潜って入り「お座敷…あいてる?親父」と尋ねたら、
親父「おう、いらっしゃい。奥のお座敷…」を包丁で指し「そこ座れや。…昼過ぎて娘連れて山に入った男が一人、さっき、もう一人、山に入ってったが、おたくらの知り合いか?」
富樫「あぁ、賀茂女ちゃんらのことか。あぁそうだ」
親父「賀茂女…」と名前に反応し、
お通し(酒の肴)は運ぶ狐目の女将がギロっとこちらを睨んだ。
女将「熨斗鮑(のしあわび)※に…この山で取れた山菜の御浸し、どうぞ…」コトっと静かに置いて「うちの賀茂女が若い男と山へ…」と呟いた。
※熨斗は延寿、鮑は長寿武運で縁起の良い食べ物として頼朝に年貢として納められていた。
富樫「え?うちの賀茂女って!?」
弁慶「え、あなたが!?って、ちょっとタンマタンマ!これにはふっかーい事情が!」とここにいない義経の全貌と陰謀を暴露した。正直に。
富樫「そんで、志鷹に鷹匠訓練を命じたんだっ!!」志鷹は自称 義経の一番弟子なんだぞ!