ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

紅葉の賀

2010-11-01 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義経「ところで、これ分かっか?」話を変えて、義隆の帯を皆に見せた。

繭子が織った桐生織の帯はリバーシブルタイプで…クルッ返して、どっちが裏か表か分からないが着せられていた柄は黒の縞模様、裏になっていた方は『源氏香の図』が織られていた。

源氏香の図とは、宮中や都の高貴なセレブの中で流行っていた香道で5つの香りを調合して25種の香りを作って誰がどの香りを使っているか分かるように作られていた。ま、香の型番みたいなものだ。セレブの中で香りを当てる源氏香ゲーム、また、香の図の紋を一枚ずつのカードにしてカルタなどが流行っていた。源氏香カルタとは、かの有名な源氏物語の各帖『藤壺、若紫、葵、須磨、明石…』それぞれ女性たちが使用している香の名前が使われており、その物語に込められた思いを歌い、即興で下の句を作るというものだ。
義経「…で、この香の図だけ色が違う。何を意味してると思う?」
冷泉院「これって七帖 藤壺の『紅葉の賀』じゃない?」
源氏物語 七帖 藤壺「紅葉の賀」
幼くして母を亡くした光源氏は母の面影を追い求め、色んな女性と通じる物語「源氏物語」…ま、現代でいう魁!マザコンDe浮気症候群のことかな。そんな母を亡くして落胆中の光に浮上した父の再婚話、父 桐壺帝は、藤壺を后とすると打ち明けられた。
光「え?再婚!?」ってどんなのがママになるん?とそーと覗いてみると、なんと!藤壺は亡き母の生き写しだったって「えぇ!?マジで」会いたいと思い、しつこく手紙を出した。
こういう近親相姦的なスキャンダルが世間様にバレたら源氏失脚は免れないが!?18、19歳 光は若気の至りで藤壺と「やった!通じた!」と夜の蜜会を慣行したが、避妊という手段が当時なく、藤壺が「ご懐~妊!」となった。事もあろうに桐壺帝の息子 光の子であるって、そんなことが世にばれたらぁどうしよう…と光とのご縁をぶった切ろうと光への思いを断つ藤壺だったが、そんなこと知る由もない光はあっつぃ視線と文を送り続ける。そのあっつい視線光線に藤壺も自分の旦那(光の父)より若くて美しい光の方がいい!と思ってしまい、度重なる蜜会と衝撃的懐妊事実で罪の意識に苛まれ悩み続けることになる。一生…ね。
懐妊を喜ぶ何も知らない無実な父 桐壺帝はわが子誕生を盛大に祝おう!と紅葉の賀を開く。
が、藤壺は欠席。なんだ参加できないのか…かわいそうに、といらん気を回した桐壺帝はリハーサルに藤壺を呼ぶ。そのリハで光は舞を舞う。
藤壺「やっぱり、若いっていいわぁ」と光に熱い視線が注ぐ。そんな危ない光線が行き交う紅葉の賀が終わって、藤壺から「おっ!」と文が届いた。その文で、ガーンとした衝撃の事実を告げられる。藤壺が無事男御子(後の冷泉帝)!玉の様な光の美しい皇子が誕生したって。