『おう、オキテス』
『あっ!軍団長、何か?』
『オキテス、お前、何か用事でもあるのか?』
『え~え、キドニアからの帰り船を待とうかと。ガリダの方へ使いに出した二人の事を気にしています』
『おっ、そうか。俺も同じだ。ギアスが持って帰ってくるであろう返事が気になってな』
『そうですか。パリヌルスもそう言っていました。いま、彼はドックスと新艇の方へ行っています』
『日足が延びて、一日が長くなったな』と言いながら、イリオネスは、陽が傾いているほうへと顔を向けた。陽は身を沈めるのにまだ間がある。陽の落ちる歩みが秋のころに比べて、日暮れを惜しむようにのろかった。
イリオネスは、夕陽が照らす浜辺の風景に目を転じた、クレタの海の遠望を視野に入れて、目を閉じた。いつかは成るであろう事象がつかの間であったがまぶた裏に映じた。
いつのまに来たのか、パリヌルスが傍らに立っている。
『おう、パリヌルス、キドニアからの帰り船を待っている』
『もう、この頃合いです。程なく帰ってきます』
言葉を交わして、二人は東の海上に目をやった、二人はこちらへ向かってくる船影を目にした。
『おう、帰って来た、来た!』
舟艇が春ののたりと凪いだ海を割って浜に向かってくる。着岸までに時間を要しなかった。浜がにぎやいだ、オロンテスが艇から降りてくる。
『あっ!軍団長、ただいま帰りました。ギアスから聞きました。まず、用事を済ませます。少々時間をいただきます』
『おう、待っている。パリヌルスもオキテスもいる、少々時間をとって打ち合わせよう』
『判りました』
マクロスとソリタンが降りて、オキテスの前に立った。
『おう、ご苦労。話はうまくいったか?』
『はい、うまくいきました。喜んでください』
『こいつ、それは重畳!どんな具合だった?』
『ガリダ頭はとても乗り気です。明後日、こちらに来ることになりました』
『それだけ聞けば、それでいい。詳しいことは後から聞く、まあ~、休め』
『判りました』
イリオネスとパリヌルスは、ギアスの用済みを待った。
『あっ!軍団長、何か?』
『オキテス、お前、何か用事でもあるのか?』
『え~え、キドニアからの帰り船を待とうかと。ガリダの方へ使いに出した二人の事を気にしています』
『おっ、そうか。俺も同じだ。ギアスが持って帰ってくるであろう返事が気になってな』
『そうですか。パリヌルスもそう言っていました。いま、彼はドックスと新艇の方へ行っています』
『日足が延びて、一日が長くなったな』と言いながら、イリオネスは、陽が傾いているほうへと顔を向けた。陽は身を沈めるのにまだ間がある。陽の落ちる歩みが秋のころに比べて、日暮れを惜しむようにのろかった。
イリオネスは、夕陽が照らす浜辺の風景に目を転じた、クレタの海の遠望を視野に入れて、目を閉じた。いつかは成るであろう事象がつかの間であったがまぶた裏に映じた。
いつのまに来たのか、パリヌルスが傍らに立っている。
『おう、パリヌルス、キドニアからの帰り船を待っている』
『もう、この頃合いです。程なく帰ってきます』
言葉を交わして、二人は東の海上に目をやった、二人はこちらへ向かってくる船影を目にした。
『おう、帰って来た、来た!』
舟艇が春ののたりと凪いだ海を割って浜に向かってくる。着岸までに時間を要しなかった。浜がにぎやいだ、オロンテスが艇から降りてくる。
『あっ!軍団長、ただいま帰りました。ギアスから聞きました。まず、用事を済ませます。少々時間をいただきます』
『おう、待っている。パリヌルスもオキテスもいる、少々時間をとって打ち合わせよう』
『判りました』
マクロスとソリタンが降りて、オキテスの前に立った。
『おう、ご苦労。話はうまくいったか?』
『はい、うまくいきました。喜んでください』
『こいつ、それは重畳!どんな具合だった?』
『ガリダ頭はとても乗り気です。明後日、こちらに来ることになりました』
『それだけ聞けば、それでいい。詳しいことは後から聞く、まあ~、休め』
『判りました』
イリオネスとパリヌルスは、ギアスの用済みを待った。