オキテスは沿岸との距離を考えて進路を保った。レムノス島の南端の岬が視野に入ってきた。島影が海上に延びている、太陽が沈みかける低い位置にある。船上の者たちもこのときを迎えている。彼は、彼らがこの時を迎えている感慨を推し量った。
『お~いっ!アミクス、来てくれ』
船団は、湾内に入る最終の進路変更地点に到達していた。そこからはその身の半分を海に沈めた太陽が見えた。
『アミクス、進路変更信号を発してくれ。進路目標は沈みつつある太陽だ。いいな、急げっ!櫂座の者たちには全力で漕げと指示しろ。操舵手には舵をきれと命令しろ。以上だ』
『判りました!』
『発信を終えたら直ちにここに戻れ。いいな、行け!』
彼は船尾に飛んだ。
船団は航跡を引いて進路の変更を行った。オキテスは戻ったアミクスに声をかけた。
『アミクス、どうだ、うまくいったか』
『全船、間もなく進路変更を終えます』
『おっ、そうか。よしっ!次の信号は、『我が船に続いて着岸せよ』だ。いいな、いい頃合いをみて発信してくれ』
『はい、判りました』
つるべ落としに沈み行く太陽は、茜色を空に残して全身を海に沈めていた。
オキテスは、体感で船速を測った。太陽が沈んだら時間をかけずに宵闇が訪れる、彼は呼吸で時を測っていた。
『お~いっ!アミクス、来てくれ』
船団は、湾内に入る最終の進路変更地点に到達していた。そこからはその身の半分を海に沈めた太陽が見えた。
『アミクス、進路変更信号を発してくれ。進路目標は沈みつつある太陽だ。いいな、急げっ!櫂座の者たちには全力で漕げと指示しろ。操舵手には舵をきれと命令しろ。以上だ』
『判りました!』
『発信を終えたら直ちにここに戻れ。いいな、行け!』
彼は船尾に飛んだ。
船団は航跡を引いて進路の変更を行った。オキテスは戻ったアミクスに声をかけた。
『アミクス、どうだ、うまくいったか』
『全船、間もなく進路変更を終えます』
『おっ、そうか。よしっ!次の信号は、『我が船に続いて着岸せよ』だ。いいな、いい頃合いをみて発信してくれ』
『はい、判りました』
つるべ落としに沈み行く太陽は、茜色を空に残して全身を海に沈めていた。
オキテスは、体感で船速を測った。太陽が沈んだら時間をかけずに宵闇が訪れる、彼は呼吸で時を測っていた。