アミクスは信号を発した。信号は引き継がれていった。
方向転換は、長い航海の途上にあっては瞬時とおもわれる短い時間のうちで終わった。
帆は風をはらみ、各船は波を割り進み始めていた。
『船長、方向転換、進路変更、終了しました。各船の航行状態、順調になりつつあります』
『そうか、よしっ!次は昼めしといくか。アミクス、食事信号だ、発信してくれ』
『はい、判りました』
この頃には、各船の漕ぎかたは櫂をあげていた。
船団は、太陽の耀いている方向にむけて、帆に風をはらみ順調に航行を始めていた。斜め後ろからの風を受けて航行している間は左舷の櫂座の者たちが漕ぐときに感じる水の抵抗感が大きかった。
『よしっ、諸君ご苦労であった。さあ~、皆、めしにしよう』
オキテスは言葉短く一同ねぎらった。
各自が袋の中から取り出した堅パンに大口をあけて噛みついた。
オキテスは『風向風力感知器』で風力をチエックした。
彼は何かを語ろうとしたが、話し相手のアミクスが、まだ船尾から戻っていなかった。時をもてあました。
殿りを航行している一番船のパリヌルスは、オキテスの采配と各船の航行状態をチエックして、アエネアス、イリオネスと副長のカイクスをまじえて話し合っていた。
方向転換は、長い航海の途上にあっては瞬時とおもわれる短い時間のうちで終わった。
帆は風をはらみ、各船は波を割り進み始めていた。
『船長、方向転換、進路変更、終了しました。各船の航行状態、順調になりつつあります』
『そうか、よしっ!次は昼めしといくか。アミクス、食事信号だ、発信してくれ』
『はい、判りました』
この頃には、各船の漕ぎかたは櫂をあげていた。
船団は、太陽の耀いている方向にむけて、帆に風をはらみ順調に航行を始めていた。斜め後ろからの風を受けて航行している間は左舷の櫂座の者たちが漕ぐときに感じる水の抵抗感が大きかった。
『よしっ、諸君ご苦労であった。さあ~、皆、めしにしよう』
オキテスは言葉短く一同ねぎらった。
各自が袋の中から取り出した堅パンに大口をあけて噛みついた。
オキテスは『風向風力感知器』で風力をチエックした。
彼は何かを語ろうとしたが、話し相手のアミクスが、まだ船尾から戻っていなかった。時をもてあました。
殿りを航行している一番船のパリヌルスは、オキテスの采配と各船の航行状態をチエックして、アエネアス、イリオネスと副長のカイクスをまじえて話し合っていた。