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『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  1

2011-01-21 07:47:36 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 生殺与奪の争いは、世界の各所で起きている。集団の性である。集団が生き残っていくため他の集団を女だけを残して、男を全て抹殺していく。高い次元の思考ではないが、ゆるがせにすることのできない重要なことであった。集団の目指す秩序と集団の明日のためと集団の欲望と満足を満たす、これらのことが集団の支配判断の根源であったことは否めない。集団を率いる『長』には、力の制御が働く、精神性とか倫理性について、考えている余裕は皆無であり、力こそ正義であり、その力で集団を統率し集団を満足させる、その力に人々が従った時代であった。建国も種族の集団の発展があってこその建国である。
 アエネアスは、いま、トラキアの地にあって自分自身を見つめるときが来ていた。
 青く深く、そして、高く澄み渡った空が頭上にあり、地を覆う空気が乾いて感じる季節であった。オロンテスが皆を指揮して丹精した畑地の作物も稔りのときに至ろうとしていた。
 アエネアスはユールスと浜の木立の中にいた。ユールスも少なからず成長していた。腕、足、胸に筋肉がつき始めていた。アーモンドの収穫以後、ユールスは、父と過ごす時間が多くなっていた。アエネアスにとっても、ユールスとともにいると、今は亡きクレウサを身近に感じていた。
 イリオネス、パリヌルス、オキテス、アレテス側近たちが、ユールスの遊ぶ武器を作ってくれていた。パリヌルスは、船を使ってユールスを海に遊ばせた。イリオネスは、例の道具のこともあるが現代から見るといかがわしいところもある天文についての知識も与えた。
 ユールスは、冴えた夜空の星を見て、祈りをこめて考えることが好きであったようだ。


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