『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  645

2015-10-30 06:09:50 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オロンテスは、堅パンつくりに抜かりはないかと頭中でチエックした。彼は、設計図をもってドックスの許へと急いだ。ドックスは待っていた。
 『お~っ!オロンテス棟梁、待っていました。どれどれ、設計図を見せてください』
 設計図が手渡される、見入るドックス、口を開くドックス。
 『オロンテス棟梁、この箱の構想よくできていますな。細部についてもとてもよくできています。解りました。明日、昼めし時に係りの者をこちらへよこしてください』
 ドックスは、設計図を見ながら、オロンテスに質問した。
 『オロンテス棟梁、ところで造る箱の総数はいくつです?』
 『お~お、それそれ』
 彼は首をかしげて答えた。
 『200個くらいーーー。それでいきます』
 『判りました。引き受けました』
 ドックスはオロンテスを安心させるように応じた。
 『では、ドックス棟梁、頼みます』
 『判りました』
 二人は握手を交わした。
 オロンテスは箱の組み立てについて思考を巡らせた。
 『さて、どうする?これはオキテスに相談だ。あの風風感知器を造ったメンバーが最適と考えられる』
 彼は、オキテスの姿を探し求めた。時は、夕めしの時間がそこに迫っている。
 オキテスは、現場の者たちを集めて、今日の終業を告げている。オロンテスはオキテスのところへ歩を向けた。
 近づいてくるオロンテスに気づくオキテス、オロンテスに声をかける。
 『おう、オロンテス、どうした?血相を変えて、お前、何をそんなに思い詰めている?』
 『なにっ!俺の表情が変わっている?今の俺は真剣に物事を考えている。表情に出たのかな。オキテス、相談事だ、聞いてくれ』
 『おう、聞こう』
 『こう言うことだ。-----。』
 オロンテスは新商品の件を話した。
 『そのようなわけで箱作りの要員をお前に頼みたい考えている。俺の考えではだな、あの風風感知器造りに携わったメンバーが最適だと考えたのだが、、、』
 『ほう、あの者たちか、あの者たちの大半が新艇建造に働いている。その箱作りは何日くらいかかるのだ?』
 『明日の午後から取り掛かって20人体制で、明日、明後日の2日と目論んでいる』
 『2日間だな、いいだろう。何とかする。解った。それでどうする?』
 『明日、昼めしが終わるころにセレストスに迎えに来させる。ドックスのところで作る箱の用材を受け取る。それをもって、工房の近くの広場で製作する段取りでいる』
 『了解した。セレストスに昼めし後にここへ来るように手配しておいてくれ』
 『ありがとう、オキテス、礼を言う。今の俺は何かと忙しい、明日からの俺は集散所行きだ。宜しく頼む。お前が頼りだ』


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