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『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第8章  クレタ離脱  125

2019-09-30 13:43:29 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 テムノス浜頭がアエネアスら一同と目を合わせる、話し始める。
 『先日、貴方がたが建造している船、戦闘艇1艇の営業のための預託を受けました。これを機会に船舶の営業について、エドモン浜頭を中心に鋭意話し合い、検討した結果、営業の仕組みを組み立てた次第です。私らは船についてよく知っている。集散所のほうは営業の仕組みについて知ってはいるが、船については詳しく知っているとは言えない。そのような事情を踏まえて、集散所の元締めであるクノッソス集散所のイラクス営業担当、マリア集散所のダントス所長、そして、今日、私らと同行している、キドニア集散所のハニタス副所長、パムテキオのパキオテ頭領、キドニアのキドニス浜頭、同じくスダヌス浜頭が加わって、よく話し合い、営業の仕組みを組み立てました。これによって、ニューキドニアの浜で建造される船舶の普及をはかり、営業の業務を推し進めることになりました。そのようなわけで皆さんと話し合って、その営業仕組みを発足させたいと考えています。これによって、建造、営業、販売代金の回収といった全体的な仕組みを正しく機能させ、この地で建造される船舶のクレタ島における普及業務を遂行していきます。何卒、賛同いただいて、暦のあらたまったこの期に発足させたい所存です。この仕組みのここが解らないとか、質問があれば遠慮せずに聞いてください』
 子の言葉を受けて、イリオネスが、オキテスが三つ四つ質問する、よどむことなく質問に答えるテムノス浜頭、ハニタス副所長。
 ここまでしっかりと仕組みが考えられているとはアエネアスらは考えてはいない。
 イリオネスはドックスが理解したかを声をかけて確かめる、理解しているとドックスが答える、安堵する。
 イリオネスがアエネアスとオキテスと相談する。相談がまとまる。
 彼がテムノス浜頭に体を向ける。
 『テムノス浜頭殿、営業の業務の遂行及び仕組みの総体について理解いたしました。この件について、私らには異存がありません』
 エドモン浜頭がイリオネスの言葉を受けて応える。
 『イリオネス軍団長殿、私らが組み立てた仕組みを理解していただいたようですな誠にありがたい。この仕組みを支障なく運営していくことを約束し、この場にいられるアエネアス頭領殿、イリオネス軍団長殿、列席の一同の方に誓約します。なお、この仕組みを本日より発足させます。よろしく願います。この地はキドニア集散所の管轄ですので、何かがあれば、ハニタス副所長、キドニス浜頭、スダヌス浜頭にたずねていただければ支障をきたすことは全くありません。よろしく願います』と言い終えて、エドモン浜頭が手をさしのべる、さしのべられた手をシッカリ握るアエネアス、一同がかわるがわる握手を交わす。
 新しい営業の仕組みの約束事がスタートする。
 エドモン浜頭がアエネアスに言葉をかける。
 『アエネアス頭領殿、先ほどの頭脳の件ですが、その持ち主に会わせていただけるでしょうな』
 『そうでしたな。いいでしょう』
 アエネアスがパリヌルスを手で招く。
 『エドモン浜頭殿、その頭脳の持ち主です。パリヌルスといいます』
 エドモン浜頭がパリヌルスと顔を合わせた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第8章  クレタ離脱  124

2019-09-30 06:28:15 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 太陽が真上にある、季節の光を振りまいている、いい風が広場をわたっていく。
 イリオネスがエドモン浜頭に丁寧に話しかける。
 『エドモン浜頭殿』と声をかけて目を見る、言葉を続ける。
 『日が輝き、いい風が来ています。私ら一同は、この場で来訪の用件を受けたいと考えています。いかがでしょうか?』
 『イリオネス軍団長殿、いいでしょう。ここでやりましょう。そうむつかしい用件ではありません。ここがいいですね』
 『解りました。場を整えます。私どもが用件を受ける立場です。そのように場をつくります。チョット間をいただきます』
 『イリオネス軍団長殿、気遣いはいりません。草の上で丸く座ってでも話し合える用件です。商取引は、貴方ら、私ら、対等の立場と考えています。1プラス1が3の結果に結びつけたい!そのように考えてのことです』
 『そうですか、私らの真意としては、遠いところを用件を携えてきてくださったエドモン浜頭殿に敬意を感じています』
 『それはそれは、丁重な気づかいを喜んでいただきます』
 イリオネスは、来訪者一行に意を示すことで一行の真意を我が方にとって有利にと時間的操作もあわせて操作している。その策が効を奏していると自信を持って彼らに接している。
 イリオネスは、オロンテスに指示して、話し合いの場をそのように整える、一同が席に就く、話し合いが始まる。
 エドモン浜頭が立ちあがる、アエネアスに体を向ける、話は、場に会している一同に対して、建造の場の見事さとその充実度に対する崇敬と信頼を語る。
 『アエネアス統領殿、私らがこの地についてから、皆さんの心のこもった応接をいただいた。本当にありがとうございました。私らがこんなに丁寧な扱いををいただくとは、心していませんでした。心から礼を申し述べます』
 エドモン浜頭が深く低頭する、浜頭の話が続く。
 『また、船舶建造の場ですが、その充実度の見事さ、いい船ができて当然であると心しました。私らがここで出来あがる船を取り扱っていく、商っていく、この仕事に携わることに誇りを持って当たれると確信しました。どうかよろしく願います』
 エドモン浜頭が感嘆の気ごころを包み隠さず述べる。
 『そのように言っていただける。私らにとってありがたいことです。『信頼』の二字を保証する私らの真意です。その私らの真意と姿勢を受け取ってもらって幸いです』
 アエネアスは、エドモン浜頭の言葉にこたえる。
 『では、今日、私らが顔をそろえて、こちらを訪ねた用件について話させていただきます。よろしいですね』
 『解りました。心して聞きます』
 エドモン浜頭がテムノス浜頭に顔を向ける、話しかける。
 『テムノス浜頭、伝えるべき詳細を申し上げてくれ』
 テムノス浜頭がエドモン浜頭の言葉を受けて、姿勢を改める、口を開く、おもむろに話し始めた。