『いずれ打ち合わせはやる。その時に決めることになるが』
『同時実行、時差的先攻だ。それが俺の考えだ』
『それはいい。2日ぐらいの日時が必要と思う』
『よしっ!判った。オキテスも考えておいてくれ。その線で俺も作戦計画を考えておく』二人の話は終わった。
アヱネアスもイリオネスも聞くべきことを抜け落とすことなく、浜頭らから聞き取った。ふうっと、イリオネスの頭中を通り抜けた懸念があった、アレテスの事である。
『イリオネス、どうだ、もういいだろう。引き上げるとしよう』
『スダヌス浜頭、ハニタス浜頭、いろいろとありがとう。何かつけ足すことでもあるかな』
『いえ、全てをお伝えしたのではないかと思っていますが』
『イリオネス、よしっ、帰ろう』
一同は、浜へと道を歩んだ。
『ギアス、帰る。風は西から吹いているな、帰りは追い風か』
『ハニタス浜頭、この季節、このあたりに吹く風は西風が多いのかな?』
『そうですな、何とも言えませんが、そのようでもあります。長い年月、この島で暮らしてはいますが、あまり気にかけたことがありません。言われてみれば頷けますな』
一同は帰途についた。帰りは、帆に風をはらみ、舟艇は快調に波を割って進んだ。
浜には、出迎えの者たちが立っている。アレテスの顔もその中にあった。
『軍団長、ご苦労様です』
『おっ!ご苦労。アレテス、何だその顔は?』
『軍団長、昼過ぎて、ちょっと目を離したすきに、奴に逃げられました』
『同時実行、時差的先攻だ。それが俺の考えだ』
『それはいい。2日ぐらいの日時が必要と思う』
『よしっ!判った。オキテスも考えておいてくれ。その線で俺も作戦計画を考えておく』二人の話は終わった。
アヱネアスもイリオネスも聞くべきことを抜け落とすことなく、浜頭らから聞き取った。ふうっと、イリオネスの頭中を通り抜けた懸念があった、アレテスの事である。
『イリオネス、どうだ、もういいだろう。引き上げるとしよう』
『スダヌス浜頭、ハニタス浜頭、いろいろとありがとう。何かつけ足すことでもあるかな』
『いえ、全てをお伝えしたのではないかと思っていますが』
『イリオネス、よしっ、帰ろう』
一同は、浜へと道を歩んだ。
『ギアス、帰る。風は西から吹いているな、帰りは追い風か』
『ハニタス浜頭、この季節、このあたりに吹く風は西風が多いのかな?』
『そうですな、何とも言えませんが、そのようでもあります。長い年月、この島で暮らしてはいますが、あまり気にかけたことがありません。言われてみれば頷けますな』
一同は帰途についた。帰りは、帆に風をはらみ、舟艇は快調に波を割って進んだ。
浜には、出迎えの者たちが立っている。アレテスの顔もその中にあった。
『軍団長、ご苦労様です』
『おっ!ご苦労。アレテス、何だその顔は?』
『軍団長、昼過ぎて、ちょっと目を離したすきに、奴に逃げられました』
