『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

プロローグ   2-9

2007-03-14 07:37:10 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 ギリシア人たちは、まさに海賊的に黒海に進出して行く、その目的は、鉄の交易である。その頃の鉄の価格はというと、<金>の価格の6倍という、とてつもない高い価格である。ヒッタイトの鉄器の名声は、周辺諸国に鳴り響いていたのである。ヒッタイトという国家も、ギリシアのスパルタに比して、オリエントのスパルタと言われる軍事国家であった。そのヒッタイトが、紀元前1600年頃に小アジア北東部に鉄の鉱山を開発して、鉄の精錬および加工の技術を独占していたらしいのである。他国がいかに懇請しようが、その技術の供与については、断じて行わなかったのである。周辺諸国にとって、鉄製の武器の魅力は大変なものであった。そのヒッタイトが、黒海北部沿岸に南進してきていたのである。
 ギリシア民族の思考の原点には、ポリス建設時に抱いた思いを背景にして、市民としての責任感に根ざした軍事の必要性から、秀れた武器への思いが盛んであったのである。