ギリシア人たちは、まさに海賊的に黒海に進出して行く、その目的は、鉄の交易である。その頃の鉄の価格はというと、<金>の価格の6倍という、とてつもない高い価格である。ヒッタイトの鉄器の名声は、周辺諸国に鳴り響いていたのである。ヒッタイトという国家も、ギリシアのスパルタに比して、オリエントのスパルタと言われる軍事国家であった。そのヒッタイトが、紀元前1600年頃に小アジア北東部に鉄の鉱山を開発して、鉄の精錬および加工の技術を独占していたらしいのである。他国がいかに懇請しようが、その技術の供与については、断じて行わなかったのである。周辺諸国にとって、鉄製の武器の魅力は大変なものであった。そのヒッタイトが、黒海北部沿岸に南進してきていたのである。
ギリシア民族の思考の原点には、ポリス建設時に抱いた思いを背景にして、市民としての責任感に根ざした軍事の必要性から、秀れた武器への思いが盛んであったのである。
ギリシア民族の思考の原点には、ポリス建設時に抱いた思いを背景にして、市民としての責任感に根ざした軍事の必要性から、秀れた武器への思いが盛んであったのである。