この古代城市トロイは、ペレスポントス海峡の入り口にあたる重要な位置にあり、古くから栄えていたのである。その古さも並ではない、新石器時代の頃からであるらしい。紀元前4000年期の末から、ずうっと下って4世紀頃(ローマ時代)までにおよび、このヒッサルリクの丘に、積み重なるようにして、9層の城市遺跡を残したのである。4000年期末の第1層の第1市とよばれる構造物より、はじまり、最後の構造物と思われる、第9層の第9市までのうち、第7層の第7市Aが、トロイ戦争で炎上消失するトロイ城市とされている。2000年という長い年月にわたり、第1市から数えて、7つ目の城市であった。トロイ城市は、たびたび襲撃され炎上消失の運命の城市でもあったらしい。しかし、常に復興してきた城市でもあったが、4世紀ごろから城市が衰微して廃墟となったのである。
