『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

プロローグ   2-10

2007-03-15 08:46:03 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 ミュケナイの領主、アガメムノンは、ポリスの領主たちの会議の席で怒りをこめて呼びかけた。
 『皆も判っていると思うが、トロイとの事だ。トロイとの事態をどうするか。話し合う余地は全くない。この上は、力で屈服させる。賛同を得たい!』
 各領主たちにも反対はなかった。これが戦争の引き金となるのだが、もう一方でも、撃鉄となる事件が起きようとしていたのである。
 この時、アガメムノンは、オデッセウスと弟のメネラオスの帰国を待っていたのである。二人は、アガメムノンの命を受けて、トロイへ海峡の件で話し合いに赴いていたのである。<エテシアイ>の吹く北風の夏も終わろうとしている。
 <シロッコ>とよばれる、ギリシアの南の地方に、冬から春にかけて吹く 南よりの風におされて船出していった二人が、まだ帰ってきていなかった。ちょうど、その頃、スパルタのメネラオスの館には、トロイからの客が訪れていたのである。