11歳のわんちゃんです。写真を撮ろうとしたら、けなげにも吠えました。
落ち付いたところでパチリ。しかし目は油断していませんでした。
この一家の似顔絵は全員描きました。忘れていたなと犬の似顔絵を描きました。
岩合さんが自然の猫を撮るまでの苦労を想いました。
飼っていた犬を昨年亡くしました。15歳でした。
息子が犬を飼いたいと言いました。
弟のような存在が欲しかったのでしょうか。
兄弟4人と言えど、男は独り。
母が亡くなった時、和尚さんが言われました。
亡き母が、皆を再会させてくれていると。
犬の火葬を待っている間、息子と二人で話しました。
こうしてゆっくりと話すのは初めてじゃないかと思いました。
飼っている犬をペットと思ったことはありませんでした。
皆のパイプ役の家族の貴重な一員でした。
皆が気に入られようと、こっそり食べ物をやりました。
犬は、オオカミと同じで、食べられる時にお腹に溜め込みます。
不発の狩りが続くかも知れないからです。
年寄りになった彼は、体重が支えきれなくなりました。
末娘は、決心して彼をスリムにしてあげました。
末娘から、もたないと電話が入り、駆け付けました。
半時間ほどで、息を引き取りました。
そこには、会えなかった次女もいました。
三人で、犬の思い出話をしました。
妻が帰省しました。
いきなりの夜は戸惑いました。
私と同郷の妻から送られてきた故郷の海の写真を見て、懐かしかった。
この風景を毎日見ていました。
飽きるほど見た頃、故郷をあとにしました。
帰るのは、法事の時だけとなりました。
今日のテーマは、「家族の一員」です。
心の原風景は、家族と暮らした場所のような気がします。
好きであろうがなかろうが、故郷は自分のルーツです。
今あるのが必然の延々と続くルーツです。
仲が良かろうが悪かろうが、両親であり兄弟です。
小さな諍いはあるでしょう。
それもひっくるめて、故郷です。
相手のことが解るだけ、言いたいことも言えません。
反面、昨日喧嘩しても今日はいつも通りなのが家族です。
やがて家族は故郷になり、
故郷は日本となり、世界となっていくのです。
誰が故郷を、家族を想わない人がいましょうか。
自分は、「家族の一員」です。皆が大事な一員です。
そうでなければ、私は存在していない。
宇宙のようなルーツです。
今は遠く離れて暮らしています。
しかし、故郷の写真一枚で吸い寄せられるように、
和紙に落とした墨のように想いはにじみます。
今日は妻が帰ってきます。
いろんな事情を抱えて妻が帰ってきます。
あなたこそ まんまで迎え 二人きり
2016年5月15日