故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

プロジェクトを考える

2016-05-08 04:34:28 | プロジェクトエンジニアー

私の大事な大切な時間に闖入者がいます。
朝の数時間は、私にとって至福の時間です。

一人もの思いに更ける。
コーヒーを淹れ、朝ごはんを仕掛ける。
これは、妻へのほんのささやかな感謝の気持ちです。
これが終わると、さあ自分の時間です。

ところが、おびただしい数の虫がコンピューター画面に飛来してきます。
つぶしてもその数は減ることはありません。
そして、もう一人の闖入者、妻が私の前でコンピューターをセットしています。
新しく購入したコンピューターの初期設定を楽し気にやっています。
同じ時間に寝て、今までは朝まで寝てくれていたのが、今や同じように起きだす始末です。
時々話しかけられて、思考はしばし中断します。
畑には、てんとう虫(20星)が毎日やって来ます。
今のてんとう虫は、2匹で一緒にいるとか。妻が毎日えいやと殺戮を繰り返しています。
大事な野菜の葉っぱが好物のてんとう虫です。

闖入者であろうとも、大事な時間です。
二人しかいない家族です。
今話さないと、小さな家族にすれ違いが起こります。

合間を縫って、今日のテーマは、「プロジェクトを考える」です。
プロジェクトとは、「企画、設計、研究開発、開発事業」と広辞苑に出ていました。
私が関わってきたプロジェクトは、「工場建設などのものづくり」でした。
本来の意味とは、少し違うように思われます。

プロジェクトを遂行する時、情報収集で大いに苦労します。
自分の目で見たもの、自分の耳で聴いたものが続々と蓄積されて行きます。
その情報には、尾ひれのように自分の判断が付随していきます。
情報のカードが何枚貯まれば良いというものでもなく、膨大な量の情報を整理します。

私がやることは、漠然と蓄積された情報そのものに重みづけをしていきます。
ストーリーを着けていきます。肉付けをします。裏付けをとります。
情報は、常に新鮮です。よって、毎日ストーリーが変化していきます。
揺れ動きます。
私は、五月雨のような情報の一粒から「これだ」というものをピックアップしていきます。
この情報の重みづけが、これからのプロジェクトの行く末を決めます。
シナリオ作りは、苦しい。

気になることを書き止めます。つなぎ合わせます。取捨選択します。
骨格ができあがるまでに一か月が過ぎてしまいます。
ほおばり過ぎた情報を糧にするまでは、消化機能が健康でなければなりません。
この時期は、ほとんど自分の感性で進行します。

何でもプロジェクトの時代です。
プロジェクトは人々をひき付ける「キーワード」になっています。
試しにやっているこのわくわく感に騙されます。
これもプロジェクトかよと思われるタイトルに時々困惑します。

プロジェクトは企画倒れとなりやすい。
それは、枠をはめるからです。柔軟性が途切れるからです。
こんなはずじゃなかったと反省します。
自分たちだけのプロジェクトから、公共性がある仕事へと移行していることに気付かない。
シナリオ作りが甘い。
想像力が足りない。
スケジュールに無理がある。

常にコンセプトが問われます。
問題が起こる度に修正します。
コンセプトはずたずたになっていきます。
ここにきて、試されるのです。
お前は、それだけの男かと。
つまり、広がりのあるコンセプトでなければならない。
ほわっとした包み込むようなメッセージ性のあるコンセプトは、色あせない。

もう一つ大事なことは、手を動かし汗をかくことです。
行き当たる障害の程度が解ります。引っ張ることで根の深さが解ります。
疲れることで、足りないものに気づきます。
そうです。大いに足りないのです。
自分の範囲でしか考えていないことに気づきます。

強い棋士は、いろんなことに興味を持っています。
将棋のことを考えるだけでは、発想が広がらない。
音楽、経済やスポーツに関心を持つ。
ヒントがあります。考え方のアプローチのヒントがあります。
これが、いつしか自分の身体に取り込まれ刺激となります。
今まで働いてなかった脳の一部を目覚めさせ動員されます。

勉強だけができる人は、利用されるだけです。
良い給料はいただけます。しかし爆発することはありません。
燃焼はいつも制御されているからです。

プロジェクトの中心にいる人は、人間的な魅力がある。
雲のようにつかみどころがなく広がりがある。
ついていこうと皆が思えるほどの人格者である。
それが何なのか、突き止めた人である。
いつでも自分なりの答えを持っている人である。
人を育てる度量がある。

会った人を虜にする方がリーダーです。
サポートする人は、冷徹でなければなりません。
この組み合わせが、プロジェクトには必須です。

今も、もやもやと情報集めをしています。
進むべき方向性が決まりません。
きっと、引っ張っていこうとしているからだと思います。
引っ張られるようにしながら、かじ取りをするくらいで良いのでしょう。
力を集めるかじ取りがしたい。
黒子に徹することです。
人々が望んでいたものは、こうであったと。
昔からこうであったと。

麺うちは 粉に水入れ 水で揉む

2016年5月8日

コメント
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