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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ルリタテハ,前蛹から蛹へ

2017-10-19 | ルリタテハ

庭のホトトギスで育ったルリタテハの幼虫が前蛹になって,葉からぶら下がっていました。それを見つけたのが前日の夕刻。

翌朝見ると,まだそのまま。「これなら蛹になるシーンを撮影できるかも」と思いながら,度々様子を観察していました。

昼前。からだが長細く垂れ下がったようになりかけました。これは蛹化が始まる兆候です。見守りました。

 

体側に長い筋が現れました。皮が尾端に向け送られていきます。 

 

頭部から皮が脱がれていきます。翅部分が見えます。 

 

からだをわずかに動かしますが,激しくはありません。

 

ほぼ脱ぎ終えました。一直線にぶら下がった状態です。

 

これまでと打って変わったように,からだをくねくねと動かし始めました。その動きは休むことなく続きます。皮を落としたいのです。

 

からだを回旋します。突起は丈夫なので,それがからだに触れていたらとてもよくわかるのでしょう。落としたいという気持ちがありあり,そんな感じ。

 

皮が落下して15分経過。静かにぶら下がっています。大きな営みが無事に終わったひとときです。

 

ルリタテハの越冬態は成虫です。冬が訪れる前に羽化します。10日もすればそのときがやって来ます。その瞬間を撮影できたら申し分ないのですが……。

 


ルリタテハの卵,ふしぎ例

2017-09-15 | ルリタテハ

サルトリイバラの葉に産付されたルリタテハの卵を見ていたときのこと。ふしぎな例を発見しました。かたちは完全なのに,中身がほとんどなし。というか,からだの名残りがちょっとだけあって,他はすっぽりなくなっているのです。どんな状況でそうなったのか,謎です。

 

 

上部に穴はありません。

 

 

しっかり閉じています。なにも出て行った気配がありません。なのに,空っぽ状態なのです。 

 

 

よく似た例を,サルトリイバラでも一つ見ました。

 

 

事情はまったくわかりません。真相は不明です。

この例からいえるのは,卵の段階でもいのちが絶える個体がいくつもあるという点です。自然の厳しさを感じます。 

 


ホトトギスに産付されたルリタテハの卵(続々)

2017-09-13 | ルリタテハ

9月11日(月)。産付までにはまだ時間がかかりそう。卵の中には,葉の表面から浮かんだ状態で産み付けられたものが。表面にはトライコームと呼ばれる毛状突起があるので,その影響を受けているのです。なんだか落っこちそうで,不安定。

 

傾いている卵も。チョウは,まさかこんなふうになるとは思いもしなかったことでしょう。

 

9月11日(月)。夕方,薄暗くなって,撮影。そのとき小雨が降っていました。

影が複雑です。生まれ来る幼虫のからだが出来上がっていきます。

 

宙に浮いた卵も変化していきます。

 

幼虫のからだが刻一刻完成に近づきます。

 

明日誕生するでしょう。

 


ホトトギスに産付されたルリタテハの卵(続)

2017-09-11 | ルリタテハ

9月9日(土)。早朝。葉に露が付いています。他に卵はないか,調べていきました。すると,あちこちに産み付けられていることがわかりました。

 

孵化にはまだしばらくかかりそうです。

 

中には,こんなふうに複数個産み付けらている例がありました。

 

びっくしたことに,孵化済みの例もありました。幼虫はいないか見ていきましたが,見当たりませんでした。

 

合計で10個以上見つかりました。どうやら卵は産付時が異なっていそうです。これは撮影には絶好のチャンスです。

 


ホトトギスに産付されたルリタテハの卵

2017-09-10 | ルリタテハ

庭の片隅にホトトギスが育っています。大きな株になっても,そのままにしています。もちろん,ルリタテハを呼び込むためです。

ルリタテハの卵はないか,ずっと気にしていたのですが,一向に見かけませんでした。今年はもうダメなのかなあと諦めかけていた矢先,卵が一つ見つかったのです。

9月8日(金)の夕刻でした。薄暗くなりかけていたので,大急ぎで卵を撮影しました。

 

見たところ,産み付けてから日が経っている模様です。

 

近寄って撮りました。確かに産付後,数日は経っています。

 

もっと近寄って撮りました。薄く影が見えかけています。

 

朝,改めてほかに卵はないか,探してみようと思います。 

 


久しぶり,ルリタテハの卵(まだ)

2017-09-05 | ルリタテハ

9月3日(日)。もう一個の卵の経過を報告します。

夕方です。薄っすらと影が見えかけました。

 

9月4日(月)。陰がかなりはっきりしてきました。明日あたりに孵化するかなあ。

 

9月5日(火)。

朝。これはもう,はっきり今日誕生するでしょう。ただからだの周りにはまだ液体があるようなので,それがなくなるまでには時間がかかりそうです。

 

夕方。ふと見ると,出始めていました。今回もラッキー! 下写真だけは逆方向から撮りました。

 

 

どんどん穴を大きくして,頭を出しかけました。

 

 

身を乗り出すような感じで頭をぐいーっと伸ばしました。卵にまだ入っているからだを見ると,なんとも窮屈そうです。ゆとりなんてまったくない部屋といったふうです。

 

 

からだを曲げ,そうして出ようとします。踏ん張りようが伝わってきます。 

 

出終わりました。 じつに初々しいからだに見えます。

 

このまま卵からどんどん離れて行きました。 

それにしても。2個の卵のどちらも孵化を観察できるとは! 気分は最高! 

 


久しぶり,ルリタテハの卵(続々)

2017-09-03 | ルリタテハ

9月3日(日)。仕事は休み。

午前6時。透明感が増して,いよいよ今にも孵化しそう。ところが集落で生活排水路の清掃作業があるため,出かけなくてはなりません。葉ごとプラスチック容器に入れ,それをポケットに忍ばせて見守ることに。

 

 

作業は午前7時開始,10時終了。帰ってから見てみると,卵の天頂部分に穴が開けられている最中でした。なんとラッキーな! これでじっくり遠慮なく観察・撮影ができます。

 

 

間もなく穴は頭部が出る大きさに。

 

 

幼虫は休むことなく出始めました。

 

 

頭部がすっかり出て。

 

するするっと行動が続き,すぐに出終わりました。

 

着地した幼虫は,おどけて見えるようなしぐさをしました。誕生の喜びが伝わって来るようです。おもしろい!

 

そのしぐさはほんの一瞬でした。

 

 

幼虫はそのまま卵を離れて行きました。

 

ラッキーな機会をうまく活かし切れました。幸運でした。

                                    (つづく)

 

 


久しぶり,ルリタテハの卵(続)

2017-09-02 | ルリタテハ

9月2日(土)。早朝。

高さが1mmの卵の内部,幼虫の影の輪郭がなんとなく見えかけてきました。からだのどの部分に当たるのか,わたしにはわかりません。

 

9月2日(土)。夕方。

黒い部分が増えてきたように見えます。

 

9月2日(土)。 夜。

様子がぐんぐん変わって来て,毛まではっきり見えます。明日孵化しそう。

 

 

今日の昼間,もう一個を採取。こちらは産付日が遅かったようです。

  

 

    (つづく)

 


久しぶり,ルリタテハの卵

2017-09-01 | ルリタテハ

9月1日(金)。公園を歩いているとき,ルリタテハの卵と再会したいなあと思って,サルトリイバラの葉を確認。すると,びっくり! これって,予感的中といったところでしょうか。葉に卵が産み付けられていて,しかも,近いうちに孵化する様子。

 

超接写で撮ると……。幼虫の影が見えています。

 

さらに見ていくと,殻が付いた葉も。

 

「もしかすると,幼虫がいるかも」と思い,葉を裏返しにしました。いました,いました。どんぴしゃりというのはうれしいものです。この幼虫が蛹になって羽化すると,そのまま越冬に入ります。

 

9月の始まりに,こんな出合いがあるとはうれしすぎます。この秋はなんだかハッピーなようで,わくわく気分。

さっそく,茎を手折って持ち帰りました。孵化を見届けたい!

                                          (つづく)

  


ルリタテハ,見つかった卵,でも……

2017-05-20 | ルリタテハ

N公園の山裾にて。

近頃,ルリタテハの産付卵を今か今かと待ちわびています。N公園の生態系を見つめる一環で,心がけてサルトリイバラの新しい葉を確認しています。しかし,ルリタテハの卵はなかなか見つかりません。たぶん産卵しているはずなのですが。

5月の連休のある日。夕刻。卵がないか確認しておこうと思い,サルトリイバラの葉を順に見て行きました。見ていくうちに,卵殻雅一つぽつんと残されていました。新しい葉の上なので,この春に孵化したものです。

ところが近くに死骸がこれまた一つ。かたちはよくわかりませんが,たぶん,孵化した幼虫なのでしょう。近くを探しても幼虫の姿は見当たりませんでした。クモかなにかに襲われて被害に遭って,そのまま残されたものと思われます。

 
他に卵はないか,探しました。結局,見つかりませんでした。ルリタテハは多くなくてもそれなりに棲んでいるはずなのですが……。

クロヒラタアブのものらしい囲蛹が茎に付いていました。サルトリイバラにアブラムシが付いていたのでしょうが,ついついそれは見逃していました。 

 

 
(追記)後日,ルリタテハの幼虫を一匹見つけました。たった一匹! それでも,やれやれ。ほっ。今,それをミュージアムで飼育展示しています(下写真は本日撮影)。もう終齢幼虫です。