この店の前は、何度も通っていて。
ここはやってるのか否か。まずそこから不明、分からなかったのだ。
昭和もド昭和。レトロっていうハイカラな言葉も似つかわしくない、
古い。ただただ、古めかしい佇まい。有る日、ふと見つけた『営業中』の文字。
やってる!やってるよこの店!。とは思いつつ、数か月も過ぎただろうか。
この日、ここを目標にやってきた。入ったさ。な?なんか暗いもん。
テーブル席ではマスターが一人で新聞読んでるし。『やってる?・・・の?』聞くわ、そりゃ。
聞いたら、あ、良いよ良いよ、どうぞどうぞって、良いよ?
コロナの、こんな時やから、営業中の札も出してなかったから~って、あ。そうだっけ?
なんか押しかけちゃった感じで、モーニングとか有る?って聞いたら、パンは有るけどなって。
それでも、いらっしゃいませな空気は有って、パチ・・・って、スイッチ押してくれたわ。
テーブルにそれぞれ、スタンドの照明が設置されてるの。ランプが灯ってる感じで
良い味出してる風に思うのだよ。局部照明が織りなす光と影。
パンだけ付いてくるモーニングサービスが、何か特別なものになる瞬間。
ちょいと暗いから、それぞれに不揃いのスタンドを置いただけなのに、
ほんと、素敵な効果を生んで。
営業中の札も無いの。私のように、ず~っと狙ってた、勢いで入った一見さんじゃなきゃ、
札が有ろうが無かろうが、やってくる常連さんしか訪れないかも。
私が食べ終わった頃、ほらほら、おはよ~って入ってきた常連さん。
居るはずも無い私が居るの見て、びっくりしてらっしゃったけど。ごめんよ。
やってるのかやってないのかって、レベルでは無かったわ。
珈琲もトーストも、ベテランの成せる技って感じの美味しさよ。思い切って入って良かったわ。
カウンター側にはサイン、カウンターの反対側にはグッズ。恐らくマスターはかなりの阪神ファン。
古い喫茶店好きだけでなく、阪神ファンの方々にもおススメ~。良い話が出来るさ、知らんけど。
良いお店だったから、皆様も是非。ご馳走様でしたとさ。
和食茶房庵 MOON
大阪市阿倍野区三明町2丁目7-26