◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「○○様はご心配しなくて大丈夫です」って?

2007-09-15 20:11:02 | めちゃくちゃな敬語
                       ハム様ぁ~
 こんな症状、ほうっておいたら大変なことになりますよ、という番組、毎回見ているのですが、今日の例文はこの番組の中で拾ったものです。ということは、当然、これを言ったのは医師なのですが、昔と違って、医師も言葉遣いが幾らか丁寧になりましたよね。昔、クランケ、今、患者様、患者様はお客様です。ま、全部が全部そうだとは言いませんけれどね。でも、「患者様」って、どうなんでしょう、「いいんじゃない?」という人、「なんかちょっとねぇぇぇ」という人、いろいろです。後者は、言葉だけ丁寧にしてもねぇ~という気持ちが入っていることは皆さんご承知のことと思います。
 さて、検査結果のあまりよくなかった○○さん、ちょっと心配そうです。それで、医師が「○○様はご心配しなくて大丈夫です」と言ったというわけですが、ここは「○○さん」で十分です。しかも、「○○様」に続いて出た言葉が「ご心配しなくて」だと、バランスがよくありませんし、「ご心配しなくて」そのものも敬語として成立していません。正しくは「ご心配なさらなくて」です。「○○さん、ご心配なさらなくてよろしいのですよ、大丈夫です!」と笑顔でさら~っと言ってもらえたら安心できるんですけどね。
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「ご(お)~なる」が尊敬語の基本。

2007-09-14 20:13:02 | めちゃくちゃな敬語
                     よくお育ちになって
 この人は幾らかましなほうだなと思って見ていたNHKのアナウンサーが「そういう環境で育たれた○○さんは」なんて言うのを聞いてしまい、とてもがっかりしました。あ~もうだめだぁ~(´д`)。
 「ご(お)~なる」が尊敬語の基本であり、この場合、「そういう環境でお育ちになった○○さんは」と言わなければなりません。ほとんどの人がこの基本を忘れ、すべて「れる・られる」で片付けてしまっているというのが現状ですが、さすがに「育たれた」はおかしいでしょう。え、おかしいと感じない? 感じる? どっち? 感じない人は要注意! ここで認識を改めてください。そうでないと、そのうちどこかで恥をかきますよぉぉぉ。
 「おっしゃられて」や「お使いになられて」などはもうすっかり定着し、ちゃんと「おっしゃって」「お使いになって」と言える人をほとんど見かけなくなりました。でも、「おっしゃられて」も「お使いになられて」も言いにくいでしょう、よくまあ舌が回るなぁとあきれるやら感心するやら。私は「おっしゃられて」なんて滑らかに言えませんからぁ~( ̄~ ̄)。
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ニュアンスを変えないで!

2007-09-13 20:32:41 | 言葉についてあれこれ
                      ゆるんでるだけや
 まず、○○さんが手に「ガックリ」と書いた紙を持って「がっくり」と言っているVTRが流れ、それを受けてキャスターが、「○○さんががっかりしたって言ったでしょ」と言いました。あほか! 「がっくり」と「がっかり」は違います。一応、辞書にどう書いてあるかご紹介しますね。がっかり→失望したりして気が緩んで、何もする気がなくなること。がっくり→はじめしっかりしていたものが、急に緩む様子。大物キャスターなんだから、これぐらい区別しなさい! 勝手にニュアンスを変えないで! ったくもぉ~(`ε´)。
 また、ある人が「重大なことを」と言った場面で、テロップは「重要なことを」になっていました。「重大」には、重要だというだけではなく、ただごとでない様子という意味が加わります。入力作業者さん、勝手に別の言葉を入力しないで! 聞こえたとおりにお願いします。
 ディクテーションでは、基本的に話者の言葉をできるだけそのまま忠実に文章にします。もちろん、変な日本語で文章化できないという場合、必要最低限の修正を加えますが、単語はそのまま、「がっくり」なら「がっくり」、「重大」なら「重大」であって、勝手に変えたりはしません。ニュアンスというものをとても大切にするわけです。放送業界の人にもそういう姿勢を持っていただきたいと思うのですが、届かないんですよね~こんな小さな声は。さみしーっ( ̄д ̄)。
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「戦後生まれの初めての総理大臣でした」って?

2007-09-12 19:48:23 | 言葉についてあれこれ
                       先に行くぜ
 安倍首相辞意表明というニュースの中で聞こえてきた「戦後生まれの初めての総理大臣でした」ですが、ちょっとおかしいですよ。皆さんはおかしいと感じますか? 正しくは、「初めての戦後生まれの総理大臣でした」です。でも、辞意を表明しただけでもう「でした」というのもちょっと早すぎかな~。では、もう一つ、「2週間前ほどから」はどうですか? 正しくは「2週間ほど前から」ですね。このように、語順がおかしいことがよくあります。
 ときには、意味ががらっと変わってしまうような例さえあります。例えば、「最新の金属を使用しない○○法は」と聞こえたら、当然、「最新の金属」を使用しない「○○法」の話をしていると思いますよね。「最新の金属」って、新しく出てきた合金か何かのことかな、と思いましたから、そういうものを使用しない、古くからある方法が○○法ということになります。ところが、実際は、「金属」を使用しない「最新の○○法」の話でした。
 言っている本人は○○法のことを分かっているから、「最新の金属を使用しない○○法は」が誤解を招くなどとは思いも寄らないでしょうが、○○法を知らない人は、それが前からあるのか最新の方法なのかなんて知りませんから、「最新の○○法」と言ってもらわないと困ります。「最新の、金属を使用しない○○法は」ならいいのですが、こういう話し方をできる人も少なくなっています。「最新の」の後に一呼吸置く時間もないのでしょうかね( ̄ε ̄)。
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ワニ使用中。

2007-09-11 20:24:24 | 言葉についてあれこれ
                       ハム使用中
 石川県金沢市の住宅街でワニが2匹相次いで捕獲され、3匹めがいるのかいないのか不明でしたから、警察が付近を捜索するなどして大騒ぎになりました。全国ネットのニュースでも言っていましたから、聞いたかたもいらっしゃるでしょうか。そして、今日は、容疑者が逮捕されたというニュースが流れました。この容疑者は、インターネットオークションでワニを購入し、届出をせず、無許可で飼育しており、自宅から逃げたことに気づいていたのに、どこにも連絡せず放置していたということです。ほかにもヘビだのサソリだの飼っているそうで、付近で去年捕獲されたヘビもこの容疑者が飼っていたのではないかということで調べているようです。本当に、無責任なことこの上なしです。
 ところで、こういうニュースを私がわざわざ記事にしたのは、面白い貼り紙を見たからです。警察がワニを捕獲し、署内の一室、物置のような部屋に、ケージにワニを入れて保管していたようなのですが、その部屋のドアの貼り紙、「ワニ使用中」・・・ぷぷっ、警察さんも笑わせてくれますね、けっこうおちゃめ・・・え、違う?
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ひさしがあるから雨の日もオープン。

2007-09-10 20:26:05 | いろいろあれこれ
                      これは屋根かなぁ
 窓のひさし、「庇」は常用漢字外なので「ひさし」ですが、あなたがお住まいになっている家の窓にはひさしがありますか?
 古い家には当たり前のようにあるひさしですが、このごろの新しい住宅にはありませんね。私の住んでいる建物は昭和40年代に建てられたらしく、すべての窓にひさしがあります。ですから、雨が降っていても、横殴りの強い雨でなければ大丈夫、そのまま開けていられます。
 去年、裏手に新しい家が建てられましたが、2階の上に大きな屋根が一つあるだけで、正面も横も、1階と2階の境目がない、フラットな壁面です。1階の大きな窓の上にも何もない、のっぺり、あれじゃぁ、雨が降ったらすぐに床が濡れるだろうな、などと、要らぬ心配をしてしまいます。
 もうすっかり秋になり、クーラーを使うこともなく、窓を開けて涼しい風を入れていますから、夕方から、プリリプリリ、チーチーと、虫の音がうるさいくらいです。いいですねぇ~。
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においの暴力。

2007-09-09 21:10:20 | 言葉についてあれこれ
                     ハムやんはいいにおい
 室温が30度を超え、クーラーを使わないとハムやんのハウスを26度以下にするのが難しいというとき以外は窓を開けています。涼しい風が入ってくるのはいいのですが、嫌なにおいも入ってきて閉口することがあります。たばこのにおいが入ってくると、涼しさを犠牲にして窓を閉め、そろそろ吸い終えたかなぁというころにまた開けます。変に甘い化学物質のにおいは、短時間なら我慢できますが、あまり強くにおうと気分が悪くなってきます。夜は、近くの工事現場から瀝青剤のにおいが漂ってくることがあります。大抵そのまま我慢するのですが、食事中ならやはり窓を閉めます。「においを出すな」とはなかなか言えませんから、嫌いなにおいにはひたすら耐えるのみ、これってにおいの暴力?
 におう、匂う、臭う、使い分けていますか? 「匂う」は常用漢字表外の漢字、「臭う」は常用漢字表外の音訓、よって、「におう」と表記することになりますが、「バラが匂う」「香水の匂い」ぐらいはよく見かけますし、それはかまわないと思います。ただ、「臭い(におい)」はちょっと困りますね。「便所が臭う」と書けば本当に悪臭が漂ってきそうでリアルに感じますが、「便所の臭い(におい)」は、先に「くさい」と読んでしまって、なかなかすぐに「におい」とは読めないのです。「便所が臭い(くさい)」は分かりやすいですね。今から12~13年前、キャンプ場のトイレのにおいが強烈で、鼻やのど、目まで痛くなるほどだったのを思い出しちゃった~。
 「におう」は、においが鼻に感じられる、色が美しく見える、映える、という意味ですが、「に」は「丹」、染料に使う赤色の土、赤色、「ほ」は「秀」、表面に現れ出ること、ですから、もともとは、赤色が出る、色が美しく見えるという意味だったのです。それでいくと、美しい花の「におい」というのは当然の流れですが、悪臭まで「におい、におう」になったというのはちょっと残念な気がしますね。
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高所平気症、私も平気だけど。

2007-09-08 21:44:14 | いろいろあれこれ
                       慎重に慎重に
 高所恐怖症の人は、子どものときに親が高い所で怖がっている姿を見て自分も怖くなり、そのまま高所恐怖症になったんだという話を聞いたことがあります。恐怖心というものは人から人へ伝染しますからね、ましてや、親から子どもへというのは当然といえば当然、ストレートに恐怖心が伝染するのはしかたありません。私は、高い所もジェットコースターもへっちゃら、ぐるぐる回るジェットコースターに10回ぐらい続けて乗って、係員さんから「もうやめたほうがいいですよ」と言われたほどです。ん? そういえば、頭痛がするなぁ、けっこう揺れるし、頭に衝撃が来てるよぉ、んじゃ、次はほかのにするか、なんてこともありました。
 最近よく耳にする「高所平気症」ですが、高層マンションに住んでいる子どもが、文字どおり高所が平気、ちっとも怖くない、高所の危険性も感じない、危険性を感じていればやらないようなことをやってしまう、それで高所から転落してしまうというわけで、恐怖心が薄ければいいというものでもないようです。私も「高所平気」ですが、「高所平気症」ではありません。以前にも危険予測と防止ということを書きましたが、危険だと感じることは必要で大切なことですね。また、危険だと感じるからこそ防止しようという気持ちが出てきます。かずら橋など、下手したらスポッと足を落としそうですから、真ん中をほいほいっと、だけど、踏み外さないようにちゃんと足元を見て渡りましたよ。
 四国に入るときと出るとき、海峡に架かる美しい橋を幾つも渡りました。鳴門の渦潮の真上でガラスの上に立ったときはちょっぴりぞくぞくっとしましたが、工事やメンテナンスの関係者は高所での作業を日常的にやってらっしゃるでしょうから平気でしょう。けれど、それは十分な安全対策を立てて危険防止をしたうえでのことですからね。私は、何となく「平気症」という言葉に対して違和感がありますが、さりとて、高所危険鈍感・・・高所危険行動・・・高所無謀・・・うむむぅ~、代案は思いつきません( ̄∩ ̄)。
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「すぐ飽きっぽいので」って?

2007-09-07 19:58:37 | 気になる言葉、具体例
                       飽きずに回す
 岐阜、庄内、北関東などなど、雷多発地帯というのはあちこちにあるようですが、ここ北陸も、夏だけではなく、冬も雷ががんがん発生するりっぱな雷多発地帯で、私は、当然、雷には慣れっこです。いや、むしろ、エネルギーに満ちあふれた美しい稲妻が好きです。あまりゴロゴロ鳴って、うるさくて眠れないときなど、飽きもせず、遠ざかるまでずーっとながめています。
 でも、もちろん、困ることもありますよ。今はノートパソコンにしたので、いきなり停電になっても影響はほとんどありませんが、通信が、つないでもつないでもすぐに切断されてしまうのはちょっと困るかな。今朝だって、11時ごろまで接続できなかったのですから。以前、デスクトップだったとき、雪起こしの雷が激しく鳴り、虫の知らせがあって、慌てて作業中のデータを保存してパソコンの電源を切ったのですが、その直後、バチッと停電、ドッドーン、ドンガラガッシャーン、すさまじい雷にさすがの私もびっくり。あ~、虫の知らせを無視しないでよかったぁ、なんていうこともありました。
 雷のせいで信号機がばかになって大変だったこともあります。片側3車線の大きな交差点で右折待ちをしていたとき、樹齢千年の大木の根っこのように見事に広がった稲妻を真正面に見た直後、信号が黄色点滅になりました。交差する道の側の信号は赤色点滅です。直進の対向車は遠慮なくどんどん走りますから、わずかな隙を突いてどうにか右折しましたが、赤色点滅の側の車はかわいそう、じっと我慢です。
 さて、「すぐ飽きっぽいので」はおかしいですよね、「すぐ飽きちゃうので」もしくは「飽きっぽいので」です。こんな分かりやすい変な言い方も、言っている当人は変だと気づいていないのですよ。雷は、距離によって色も違いますし、形もみんな違いますから、本当に飽きずながめていられますよ。
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「晴れ間がさし込んだり」って?

2007-09-06 20:34:33 | 気になる言葉、具体例
                     このすき間に別荘~♪
 台風9号が接近し、各地で影響が出ていますね。ここ石川県は曇り、風もそんなに吹いていませんが、何だかむしむし、じとーっとだるい感じです。
 さて、今日の例文、「空を覆っていた雲から晴れ間がさし込んだり」というものなのですが、「晴れ間」は、さし込むものではなく、のぞくものですね。「晴れ間がのぞいたり」です。雨や雪のやんでいる間、雲の切れたすき間、という意味ですから、「晴れ間から太陽の光がさし込む」ことはあります。ちなみに、「射し込む」は常用漢字の音訓外なので、「射」の持つイメージを大切にしたいという場合を除き、通常は「さし込む」もしくは「差し込む」です。
 北陸という所は、曇りというとどよ~んと雲が「垂れ込める」といった感じで、雲の切れたすき間から光が差すとまさにスポットライト、光の滝、ナイアガラ、ああ、きれぇ~とため息が出るほどなのですが、これを正しく表現するには、やはり、「空を覆っている雲の切れ間から太陽の光がさし込んだり」といったところでしょうか。雨や雪がやんでいても、どよ~んと暗いのですから、「晴れ間」というのがピンと来ません。もうちょっと明るい所に住みたいわぁ。
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「納めた年金」って?

2007-09-05 20:59:21 | 気になる言葉、具体例
                   注いだ愛情以上に癒やしてくれる
 テレビで保険や年金がどうのこうのと話しているのを見るたびに思うのですが、「払うお金」と「もらうお金」の呼び方の区別が皆さんほとんどできていないのです。7月22日に、「保険料」と「保険金」、「保険料」と「年金」、払うのが保険料、もらうのが保険金や年金だと書きましたが、一般の人たちは、「保険料」という言葉があることを知らないのではないかと思うほど、「保険料」という言葉を使いませんね。「保険料」のことも「保険金」や「年金」と言ってしまっています。
 また、「保険金を掛ける」も間違いで、正しくは「保険を掛ける」です。「保険料」を支払い、何かあったときに「保険金」を受け取ることができるようにする、それが「保険を掛ける」ということです。
 よく聞く「納めた年金」ですが、これはありえません。「私はちゃんと年金を納めたんだから、その分、もらわないとね~ぇ」というのは、言葉としても、考え方としても、正しくありません。「国民年金保険料」を納めて一定の要件を満たしたら受給できるのが「年金」というわけで、しかも、日本は賦課方式であり、積み立て方式ではないのですから、その意味からいっても「納めた年金」などないのです。もちろん、正直な気持ちは私も同じで、寒風吹きすさぶ懐でも保険料を払ってきたのだから、応分の年金をもらえればうれしいなぁと思っていますよ。でも、あくまでも「応分の」で、「払った分」ではありません。
 今朝の報道番組で、珍しい逆のパターンを見ました。「年金」と言うべきところで「保険料」と言ったので、「保険料」と「年金」をふだんからしっかり区別していないとこういうことになるのだなぁ~と改めて思いました。それでこの記事を書いたわけですが、明確に区別して認識するというのは大切ですよね、それができていれば変なところで言い間違えたりはしない・・・でしょう?
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ややこしいトイレの表示。

2007-09-04 20:36:19 | いろいろあれこれ
                       えーっとぉ
 祖谷(いや)のかずら橋の近くに広い駐車場を備えた大きな売店があるのですが、そこのトイレは、入り口を入って、さらに、左手に男性用の入り口があり、右手の通路の奥に女性用があるというふうになっていて、女性用であることを示す、スカート姿、赤色の表示の右側に「→」がありました。この「→」はあまり目立つ色ではありませんでしたが、視力1.0ほどの私は、ああ、女性用はこの右手の奥なんだなとすぐに理解しました。
 用を済ませて通路に出たところで70歳ぐらいの男性がこちらへ歩いてきて、狭い通路ですから向かい合う格好になり、あれっ? こっちは女性用だぞ、慌てて両手を広げて制止しました。男性は、目の前に私が立ちふさがって、最初は何事かとびっくりした様子でしたが、すぐに気づいたようで、照れ笑いしながら向こうへ行きました。そして、表示を指差して、ここに女性用の表示があるから左手が女性用なんだと思ったと言いました。
 うーむ、なるほど、「→」を見落としたらそう思うかもしれないな、男性用の表示が左側にあるにはあるけれど、これも目立たないな、と思いました。そういえば、以前、どこかの飲食店で、スカートの絵が水色、ズボンの絵がピンクで、男性が女性用に入りそうになって、中にいた女性がキャーッと叫び、その男性が「水色だからこっちだと思ったよぉ」と弁解しているのを目撃したことがあります。ややこしいわぁ~、そういう間違いが起きないようにしてもらいたいですよね。
 洋式/和式の表示も、入り口から分かるようになっていたらうれしいですよね。一部にそういうのがあることは以前知りましたが、まだまだそうはなっていませんね。ドアに表示されているだけだと、フォーク並びのときは困りますね、空いたのが洋式で、使いたいのが和式だとしても、ドアの前まで行かないと分かりませんからね。
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「指先まで意識が行き届けるようになった」って?

2007-09-03 20:54:49 | 気になる言葉、具体例
                      なにげにしっかり!
 日本舞踊、バレエ、ダンス、フィギュアスケート、シンクロナイズドスイミングなど、技術とともに重要な要素として表現力ということがあります。それが顕著に表れるのが指先で、「指先にまでびしっと神経が届いてますね」とか、「手の表情がいいですねぇ」とか、そういう解説をときどき聞きます。「目は口ほどにものを言う」ならぬ「手は口ほどにものを言う」でしょうか。
 例文は、ある人が他の人の演技を見て述べた感想なのですが、「指先まで意識が行き届けるようになったと思います」というのは、うーん、ちょっと苦しいですね。「行き届ける」は「行き届く」の可能表現のつもりなのだと思いますが、「指先まで意識が行き届くようになったと思います」と言えば十分です。
 「荷物が届く」に対しては「荷物を届ける」ですが、「意識が行き届く」に対しては、「行き届ける」ではなく、「意識を行き届かせる」または「意識が行き届くようにする」という表現になりますね。そういうことができるようになったということを強調したいなら、「指先まで意識を行き届かせることができるようになったと思います」となります。ちょっと長いですけれどね(^^;)。
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「暑さにこたえる」って?

2007-09-02 20:20:05 | 気になる言葉、具体例
                    行水・・・なんちゃって
 ここ数日、とても涼しい日が続いたのですが、今日はまた暑さが戻ってきました。といっても、27~28度なので、先月の連日の猛暑のことを思えばだいぶ過ごしやすいですね。それにしても、琴平で食べたすだちアイスのおいしかったこと! え、金比羅さんですかぁ? えへへ(^^;)ゞ、そっちは100段ちょっとでギブアップ、鳥居のところで写真を撮って引き返しました。そのときはもう夕方でしたが、昼間の猛暑を避けて、ということでしょうか、これから登るという人がまだまだ大勢いましたよ。
 そういえば、最近、「~がこたえる(応える)」という言い方をあまり聞きませんね。「暑さがこたえてねぇ」とか、「かなり強く言ったのがこたえたようだ」とか、日常会話ではほとんどこんなふうには言わないような気がします。あるとき、テレビに犬がプールで泳ぐ姿が映り、そこに「うだる暑さにこたえているのは人間だけではなく」というナレーションが入りましたが、この場合、「こたえる」は強く感じるという意味で、助詞は「が」です。「に」になるのは、「期待にこたえる」「お客様の要望にこたえる」というようなときです。この「こたえる」は、「答える」ではなく「応える」で、応じる、反応するという意味です。
 暑さにやられたのか、もとからこうなのか分かりませんが、「ここ連日、暑い日が続きますが」なんて言った人もいました。「ここ」というのは、「ここ数日」とか「ここ1週間ばかり」とか、今日までの短い期間を指して言うもので、「連日」に「ここ」は合いません。ちょっと格好つけて墓穴を掘るといういつものパターンですね。
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誤りも、多数派になれば正しくなる?

2007-09-01 20:40:09 | 電子書籍(でじたる書房)
                      足、脚、ASHI~♪
 言葉というものは次第に変化していくものであり、絶対に変化してはいけないなどと言うつもりはありませんが、より便利に分かりやすく、時代に合わせて変化していくならともかく、むしろその逆、たとえ7~8割の人が使うようになったとしても誤りは誤り、これは困っちゃうなぁと思うものもあります。
 例えば、「枯れ木も山のにぎわい」という慣用句、これは、つまらないものでもないよりはあったほうがましだという意味ですが、正しく認識している人は39%で、誤解している人は36%もいるのです。誤解している人は、「枯れ木」という言葉に特別な意味を持たせておらず、単純に人数が多ければにぎわうというつもりで言っているので、たとえ面と向かって言われても気にしなければいいのですが、そもそも人を枯れ木にたとえること自体が失礼ですよね。そういうことを感じる人がだんだん少なくなっていく・・・、これも「変化」の一言で済ませていいのでしょうか。
 あるとき、中学生ぐらいの子が「以前は全然見えなくて、今は全然見えて」と言うのを聞いてあ然としました。本当にこれでいいのかなぁ~?
 でじたる書房は http://www.digbook.jp です。
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