日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ファッションのボーダーレス化は、社会の変化を映すものか?

2015-05-05 20:36:36 | アラカルト

「ファッションのボーダーレス化」ということは、ずいぶん前から言われている。
その一番わかりやすい例が、女性のファッションの変化だろう。
私が社会に出たころは、女性のパンツスタイルなどは、ご法度だった。
ここ10年ほどでその意識は大きく変化し、仕事をしている女性の半数以上は、パンツスタイルで仕事をされているのではないだろうか?
さすがに、男性のスカート姿を見ることはほとんどないが、その意味で「ファッションの変化、変遷」というのは社会を映す鏡だといえる。

その「ファッションのボーダーレス化」でも、最近は「ファッションと性別」という視点でのボーダーレス化だけではなく、カジュアルとフォーマルの「ボーダーレス化」も進んできているような気がする。冠婚葬祭の中でも「葬儀」などの場面はともかく、結婚式の2次会などではずいぶんカジュアルな服装で参加される方も多いような気がする(もちろん、参加しているわけではないので街中で見かける披露宴帰りと思しき方々の服装を見ての感想だ)。

そしてそれが進化した?のだろうか、昨年あたりからはスポーツウェアというか、リラックスウェアのスェットパンツなど(別名ジャージパンツ)を街着として来ている人を見かけるようになった。
私と同世代以上から見ると「だらしない」という印象のあるスェットパンツだが、若い人たちの間ではファッションの一つとなっているようだ。それよりも進化し始めているのだろうか?最近では「パジャマパンツ」を、街着ファッションとしている若い世代もいるようだ。
先日、FM番組を聞いていたらそのようなレポートがあった。
なんでも「ネガティブ履き」の延長線として登場した(?)ファッションのようだ。

インタビューに答えていた若い女性は「着心地がいいということもあるが、動きやすいし楽ちんだから」というのが、理由らしい。
確かにパジャマは、動きやすいし楽ちんだ。着心地もよくなくては、ぐっすり眠ることができない。
だからと言って、究極の部屋着(?)パジャマパンツを街着にするのか?と、驚いたのだった。
おそらくポイントは「パジャマのような動きやすく楽ちん」ということだと思う。
ただ、おばさん世代となった私には「動きやすく、楽ちん」だけでは、生活のメリハリがなくなるのでは?と、いらぬ心配をしてしまう。

逆にこのような「メリハリのないボーダーレス化したファッション」が登場するというのは、それだけ息苦しい社会ということかもしれない。その息抜きとしてこのようなファッションが生まれるのかもしれない。
もう一つは、他者の目を気にしない社会になってきた、ということかもしれない。


憲法記念日に考える「日本の憲法」

2015-05-04 07:57:28 | 徒然

2日から本格的GWが始まった。
2日の時点で、高速道路各所では渋滞が発生し目的地に到着する前に、疲れた方も多かったのでは?
GWと、一括りにされると忘れてしまいがちだが、昨日は「憲法記念日」。
新聞、メディア各社では「改憲に賛成か、反対か」という世論調査をしている。
THE HUFFINGTON POST:憲法改正の世論調査、賛成と反対が拮抗

NHKの世論調査の全体の数字の低さは気になるが、朝日新聞も産経新聞も読者の考えという点では、大きな違いはない。
ご存じのとおり、朝日新聞と産気新聞の世論調査は、逆転していることが多い。
特に政治的な世論調査の場合、その傾向が強いと思っているのだが、案外読者は冷静な考え方をしているようだ。

このデータを見る限り、国民も「悩んでいる」と読み取ることができる。
ただ多くの意見としてあるのは、「改憲、賛成反対」という議論ではなく、個々の内容について「賛成・反対」か?ではないか?単純に「賛成・反対」で世論調査を実施してもあまり意味がないのでは?という気持ちのほうが多いのかもしれない。
たとえば、最近問題になってきている「無国籍」の子供たちの問題。
別名「離婚後300日ルール」の問題だろう。
離婚後300日後に出生した場合、前夫の子供として届けなくてはならない、という条件(?)があるため、出生届そのものを提出せずに子供を「無籍国」にさせてしまっている、という問題だ。
現在の「日本国憲法」が公布されたときと、今の社会情勢は異質なものだ。
そう考えると、「今の情勢に合わせた」憲法が必要になってくる。

実は、憲法記念日よりも前に「憲法」そのものを読み直した。
そこで気づいたことは、「憲法によって制限されるのは国民ではなく、国(=政治家)である」という、半ば当たり前のことだった。
なんとなく、憲法を守らなくてはいけないのは国民だと思いがちだが、実は国民が国(=政治家)を制限するためのもの。
昨今の「改憲」は、その「国民」からの意見ではなく「政治主導」で、時の政府の思惑で語られている部分が多く、「憲法」そのものの考えからズレているのでは?という気がしたのだ。

特に安倍さんが推し進めている「集団的自衛権」を考えるのは、本当は「国民側」であって「憲法解釈で、行使できることではない」ということ。
「そのために必要なことは何だろう?」と考えると、ドイツのメルケル首相の「ナチス時代を知る必要がある」という発言だ。考えてみれば、高校の世界史や日本史では現代史にほとんど触れることがないまま終わってしまう。理由は「大学受験に出題されない」からだが、大学受験だからこそ本当は出題されるべき問題かもしれない。その意味でも中学・高校で「日本国憲法」を学ぶ意味は、深いのでは?と考えた憲法記念日だった。


企業決算の「赤字」の内容

2015-05-01 22:53:15 | ビジネス

 今日の新聞各紙のWEBサイトには、マクドナルドやベネッセ、大塚家具など昨年から今年にかけ、経営のトップが頭を下げた企業の業績が発表されていた。
 いずれの企業も、大幅な赤字と報告されている。

 マクドナルドやベネッセは、企業の危機管理体制が不十分であったために起きた、事件が元で大幅な赤字となった。
 特にマクドナルドの場合、ここ2,3年の業績不振に拍車をかけるようなことがおきたために、目も当てられぬほどの赤字となってしまった。そして、業績回復の兆しすら見えていない状況にある。
 「4月は、業績の回復が見られた」ということのようだが、メニュー内容の良さで集客数や顧客単価が上がったためだったのだろうか?という、疑問もある。
 というのも、我が家の近所の繁盛店だったと思われるマクドナルドが閉店(先日わかったことだが、「新業態での営業」のための建て替えで、閉店したらしい)や、以前あったはずの店舗には、まったく違う飲食チェーン店になっていたりしているからだ。おそらく、店舗数そのものが、減少したために「業績の回復」が見られただけではないか?という気がしないわけではない。
 ベネッセの場合は、ご存じのとおり顧客情報の漏えいがあり、顧客に対する謝罪対応や、事件をきっかけに退会された方が数多くいらっしゃったためだろう。
 それに対して大塚家具の場合は、事業形態として変革が必要とされていた状況で、「お家騒動」のようなことが起きてしまったために、より赤字が膨らんでしまった、という違いがある。

 マクドナルドと大塚家具は、もともと業績不振に陥り始めたところに起きた「出来事」だった。
一方、ベネッセの場合は事件によって、大幅な赤字となったということを考えると、「赤字」の原因が違うということがわかる。

 大塚家具の場合、「お家騒動」終結直後に「感謝セール」と銘打ったセールを行い、少しずつ事業形態を変えていく、という動きを見せた。そして現経営陣に対しての支持を多くの株主がしたことを考えると、これから求められるのは「経営側の手腕」ということになり、同じような問題を抱えている企業は、大塚家具だけではない。

 一方、マクドナルドの場合は「鶏肉事件」直後から提供されるハンバーガーやポテトに「どうしてこんなものが、混入するの?」という、常識では考えられないような異物混入事件が相次ぎ、企業トップの謝罪会見が遅れたこともあり、「企業としての責任」そのものが問われるような事態になってしまい、平均的なメニューの見直し程度では、黒字への転換はまず難しいと考える。
 ベネッセの場合「少子化対策」として、添削講座以外の「教育ビジネス」をすでに展開をしており、「教育ビジネス」以外の会員が増やすことができれば、業績回復は可能だろう。何より、事件を起こした犯人はすでに逮捕されている、という点は大きい。

 そう考えると今日発表された、昨年事件(というか話題になった)企業でも「その赤字の理由」をよく理解する必要がある、ということがわかる。