日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

世界が注目する、中小企業

2015-05-11 11:24:37 | ビジネス

 帰省するたびに目にする、山々を覆い始めている竹林。すでに「竹害」という言葉があるほどだ。「雨後の筍」という言葉がある通り、竹の成長は早く地下茎で広がっていく。それが、植林された木々の成長を阻害し、山が荒れる原因となっているとも言われていることは、ご存じの方も多いと思う。

 その竹を何とか地域の産業にしようと、様々な試みがされているようだが「決定打」となるような産業とはなってはいない。目につくのは「竹炭」にして、炭と「竹炭水」としての活用だろうか。他には、コンビニのセブンイレブンで取り組んでいる、割りばしとしての活用くらいか。
 セブンイレブンそのものは、全国展開をしているのである程度の消費は期待できるかもしれないが、昨今の「My箸」ブーム?で、コンビニでお弁当を購入しても、箸を断る方も多いのでは?と思っている。
 
 植物セルロースとしては、一般木材よりもバイオエネルギーの素材として活用できるのでは?と期待されてはいるのだが、竹特有の強い繊維質のために大量にチップ化することが難しいようだ。他の活用として期待されていたのが、竹の繊維化だった。
 なぜなら、竹には抗菌、消臭作用があり、繊維化することができれば様々な使い道が期待できるからだ。
 実際「竹繊維」素材の夏向け衣類などが数年前には発売されてはいるのだが、大量生産という壁があるようで普及している素材とは言い切れない。

 ところが、そんな「竹」を綿化する技術を開発した中小企業がある。
 今朝のFM番組で紹介されていたのだが、「東亜機工株式会社」という愛媛県にある中小企業だ。

東亜機工株式会社HP:竹事業

 もともと紙おむつなどの衛生用品などを作っている企業ということで、製品化することができたようだが、それでも銀行からの融資は当然、社員や奥様からも大反対をされての技術開発だったようだ。
 この技術開発に注目したのは、日本の企業よりもベトナムやカンボジアなどの東アジアの国々。中には大臣や皇太子などが、直接見学に来て導入をしたいという話が出ているという。東アジアも、古くから竹を生活に使う文化があることを考えれば、身近な資源を使って、産業を興そうということなのだろう。

 海外から注目されるのは、決してトヨタやスズキだけではなく、このような中小企業も注目され、オファーが来るというのは、頼もしいと思う。反面、せっかく同じ愛媛県の中には「今治タオル」という一時衰退した地場産業を復活させたという実績があるのに、その今治との協同産業化に結び付いていないことが残念のような気がする。