日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業決算の「赤字」の内容

2015-05-01 22:53:15 | ビジネス

 今日の新聞各紙のWEBサイトには、マクドナルドやベネッセ、大塚家具など昨年から今年にかけ、経営のトップが頭を下げた企業の業績が発表されていた。
 いずれの企業も、大幅な赤字と報告されている。

 マクドナルドやベネッセは、企業の危機管理体制が不十分であったために起きた、事件が元で大幅な赤字となった。
 特にマクドナルドの場合、ここ2,3年の業績不振に拍車をかけるようなことがおきたために、目も当てられぬほどの赤字となってしまった。そして、業績回復の兆しすら見えていない状況にある。
 「4月は、業績の回復が見られた」ということのようだが、メニュー内容の良さで集客数や顧客単価が上がったためだったのだろうか?という、疑問もある。
 というのも、我が家の近所の繁盛店だったと思われるマクドナルドが閉店(先日わかったことだが、「新業態での営業」のための建て替えで、閉店したらしい)や、以前あったはずの店舗には、まったく違う飲食チェーン店になっていたりしているからだ。おそらく、店舗数そのものが、減少したために「業績の回復」が見られただけではないか?という気がしないわけではない。
 ベネッセの場合は、ご存じのとおり顧客情報の漏えいがあり、顧客に対する謝罪対応や、事件をきっかけに退会された方が数多くいらっしゃったためだろう。
 それに対して大塚家具の場合は、事業形態として変革が必要とされていた状況で、「お家騒動」のようなことが起きてしまったために、より赤字が膨らんでしまった、という違いがある。

 マクドナルドと大塚家具は、もともと業績不振に陥り始めたところに起きた「出来事」だった。
一方、ベネッセの場合は事件によって、大幅な赤字となったということを考えると、「赤字」の原因が違うということがわかる。

 大塚家具の場合、「お家騒動」終結直後に「感謝セール」と銘打ったセールを行い、少しずつ事業形態を変えていく、という動きを見せた。そして現経営陣に対しての支持を多くの株主がしたことを考えると、これから求められるのは「経営側の手腕」ということになり、同じような問題を抱えている企業は、大塚家具だけではない。

 一方、マクドナルドの場合は「鶏肉事件」直後から提供されるハンバーガーやポテトに「どうしてこんなものが、混入するの?」という、常識では考えられないような異物混入事件が相次ぎ、企業トップの謝罪会見が遅れたこともあり、「企業としての責任」そのものが問われるような事態になってしまい、平均的なメニューの見直し程度では、黒字への転換はまず難しいと考える。
 ベネッセの場合「少子化対策」として、添削講座以外の「教育ビジネス」をすでに展開をしており、「教育ビジネス」以外の会員が増やすことができれば、業績回復は可能だろう。何より、事件を起こした犯人はすでに逮捕されている、という点は大きい。

 そう考えると今日発表された、昨年事件(というか話題になった)企業でも「その赤字の理由」をよく理解する必要がある、ということがわかる。