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女性マーケターから見た日々の出来事

名優の生き方

2014-12-01 19:57:00 | 徒然

お昼、ネットでニュースをチェックするためYahoo のトピックスを立ち上げたら、菅原文太さんの訃報が報じられていた。
既に、家族葬を済まされていたとのこと。先日亡くなられた高倉健さんも、同じ様に密葬が終わってからの発表だった。
葬儀が終わってからの、発表というのは故人の遺志によるモノだと思うのだが、その生き方にも共通する様なトコロを感じる。

ご存じの方もいらっしゃると思うのだが、菅原文太さんは随分前に「膀胱がん」に罹患され、治療を受けられていた。
「膀胱がん」が見つかった時、「大掛かりな手術が必要になる」といわれ、「立ションベンが出来なきゃ、菅原文太じゃねぇ」と言って、セカンドオピニオンで放射線治療を選ばれた、という話を聞いたコトがある。
放射線治療を担当されたドクターのお話なので、おそらく本当のお話だと思うのだが、「立ションベンが出来なきゃ、菅原文太じゃねぇ」という言葉に、俳優・菅原文太の生き方というか、心意気のようなものを感じた記憶がある。

一方、先日亡くなられた高倉健さんも、以前「前立腺がん」を患われていた、という話を聞いた。
「前立腺がん」そのものは、中年期を過ぎた男性であれば、誰しもがそのリスクがある「がん」で、早期発見・早期治療が出来れば、他のがん種に比べれば進行そのものも比較的ゆっくりなので、適切な治療によって「がんと共存」しながら人生を全うすることができる、とも言われている。
事実、天皇陛下も「前立腺がん」に罹患され、現在も「ホルモン療法」を継続的に受けられ、ご高齢にも関わらずご公務に励まれている。

菅原文太さんの場合は「膀胱がん」から肝臓への転移が原因となり、「肝不全」で亡くなられているのに対し、高倉健さんの場合は、「悪性リンパ腫」という「前立腺がん」による転移ではない、「がん」で亡くなられている。
ただ、菅原文太さんも高倉健さんも、ご自分の病気は随分前からご存じだったのでは?という気がしている。
上述した通り、菅原文太さんは「膀胱がん」からの転移なので、転移が判ったときにはそれなりの覚悟をされていたかも知れない。高倉健さんも「前立腺がん」の経過検診の過程で「悪性リンパ腫」が判った、という話を聞くので、その時点で担当主治医から専門医を紹介され、治療法を検討されていたのではないだろうか?

残念に思うことは、抗がん剤などを使用した場合、一般的に言われる様な「脱毛」など容姿が著しく変わってしまう様な治療は、俳優という職業がら選択するコトはできなかったのでは?という気がする。また天皇陛下が受けれらている「ホルモン療法」も、容姿に影響する様な副作用があり、手術や放射線治療は受けられたと思うが、「ホルモン治療」などは受けられていたのだろうか?と、考えてしまった。もちろん、治療開始時の状況によっては「ホルモン療法」そのものを必要としない場合もあるので、何とも言えないのだが・・・。

そう考えると、お二人とも「俳優」という職業人としての人生を全うされるために、それなりの覚悟のようなものを持って「がん」という病気と向き合われていたのでは?という気がしている。
それは、病気を公表するコトも良しとしない、「俳優としての美学」のようにも思える。

お二人のご冥福をお祈りいたします。