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便利なサービスとは思えないLINEの「お友達送金」

2014-12-16 21:11:48 | ビジネス

新聞各社のwebサイトのチェックをしていたら、気になる記事があった。
日経新聞が報じている、「LINEのお友達送金」というサービスだ。
LINE:LINE Pay

ガラケー愛用者の私は、当然のことながらLINEは使っていない。
おそらく、使うことはないと思っている。
というのも、四六時中誰かとつながっていること自体が、煩わしいと思っているからだ。
だからと言って、若い人たちがLINEを使うことを否定するつもりはない。
思い立ったときに、すぐに連絡が取れるというのはきっと彼らにとって便利面があるからだろうし、何よりLINEの利用者が急速に拡大した最大の理由は「無料」だからだろう。
むしろ「無料通話・無料通信」というところに、目を付けたビジネスはスマホという携帯通信時代のニーズにピッタリ合ったものだと思う。

その反面、昨年あたりから「LINEいじめ」という言葉が登場するようになり、便利さの陰に隠れた様々な問題もクローズアップされてきた。
あくまでも使う側の問題なので、LINEというシステムそのものに問題があるわけではないと思うのだが、社会的問題が起きたときの企業側の対応策がされたのか?という点においては、疑問というか「サービスを提供する企業としてどうなのか?」と思っている。

そして今回の「新サービス・LINE Pay」だ。
サイトで紹介されているように「友達同士の割り勘を現金なしでできる」というのは、便利かもしれない。
昨今のように、現金ではなくクレジットカード払いが当たり前のようになってきているし、電子マネーそのものの普及も目覚ましい。
イオンの「WAON」やセブンイレブンの「nanaco」だけではなく、名古屋の「manaca」など交通各社+地域の小売で使えるような「電子マネー」も登場している。私も使っているが、小銭がないときなどはとても便利だ。
そのような「電子マネー」機能を付加したサービスが「LINE Pay」だという説明にはなっているが、友達同士でお金の貸し借りをすること自体、いかがなものだろう?

使い方の一例にあるような、割り勘なら自分も使っているものの支払いなので、問題はないと思うが「お友達の口座がわからなくても送金できる」というのは、様々な問題が起きる温床となるのでは?
今年の夏に問題になった、「LINE詐欺」の問題解決がされていない状況で、それを増長させるようなサービスのような気がするのだ。
LINE側は、「そのようなことがないように、万全を期している」というかもしれないが、では「LINE詐欺防止」をしているのかという発表がされているような記憶はない。

そもそも昔から「お金の貸し借りは、友達を失くす」といわれるくらい、とてもシビアーでよほどのことがない限り、すべきではない、と言われている(というか、そう言われて育った)。
気軽に「お金を貸して」という友達は、友達ではないし、「(お金を)貸してと言われたら、(お金を)あげるつもり」という気持ちが必要だと思う。
昭和育ちの感覚では「友達だからこそお金は貸したくないし、借りたくない」。
そんな感覚は古いのだろうか?
ただ、上述した通り「LINE詐欺」の問題も解決していない状況で、このような新サービスの提供を発表するのは、企業としてどうなのだろう?