日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

マックに新ライバル登場か?

2014-12-19 21:45:59 | マーケティング

今年の夏以来、マクドナルドの売り上げが芳しくない。
売り上げ回復のための様々な策を打って入るのだが、功を奏しているとは言い難い状況だ。
それだけ「チキン・ショック」は、大きかったということだろうか?

最近では、フライドポテトのサイズをSのみにする、というリリース発表もあった。
サイズの見直しそのものは、良いのではないか?という気がしている。
というのも、これまでのセットメニューをみていると、なぜかポテトのサイズがMばかりで、全体のバランスから考えるとあまりよくないように感じていたからだ。

マクドナルドの売り上げが伸びない=ハンバーガーが飽きられたというわけではない。
マクドナルドとは逆(?)の売り方をしている、モスバーガーなどは売り上げだけでは横ばいからやや上昇という傾向がみられる。
MOS BURGER:月次情報

そう考えると、生活者は「マクドナルドに飽きただけ」という見方もできる。
マクドナルドだけではないかもしれないが、少なくともマクドナルドとは違う売り方をしているモスバーガーのほうが生活者から支持を得ている、という見方ができそうだ。

では、モスバーガーとマクドナルドの違いはなにか?と考えると、「(ハンバーガーを)提供する時間」と「材料産地に対するこだわり」というところが真っ先に思い浮かぶ。
いぜんから、モスバーガーは「オーダーが入ってから調理をするので、時間がかかる」ということを、一つの売りにしてきた。
「時間がかかる=その場でオーダーごとに調理する」こと、「野菜などは極力店舗に近い産地のものを使う」ということを、積極的にPRしてきた。
それが「安心」という生活者の心理に結びついている部分が、あると思う。

そんな「ハンバーガー市場」に、新たなライバルが登場するようだ。
新なライバル、というよりも「リベンジ」という気持ちで進出するのかもしれない。
読売新聞:米大手ハンバーガー、25年ぶり日本再上陸へ

再進出する「カールス・ジュニア」というハンバーガーチェーンについては、よく知っているわけではない。
というのも、25年前おそらく日本がバブルで沸き立っていたころは、様々な海外の外食産業が日本に進出をし、バブル崩壊で早々に撤退をしていたからだ。
そのため、東京では店舗があったが全国展開までできずに撤退、という海外の外食産業も多かった。
おそらく、名古屋には進出する前に撤退したのでは?という気がしている。
ただ、記事中にある通り「直火焼きアンガス牛100%のパテ、焼き立てのバンズ」が売りだとすれば、マクドナルドのような「短時間で商品をお渡しします」という感じてはないだろう。
どちらかといえば、モスバーガーに近いハンバーガーチェーンかもしれない。

再上陸の背景には、「早い(だけ)が売り」というのが、日本の生活者から飽きられ始めた、という判断があったかもしれない。
実際、ハンバーガーに限らず牛丼店なども、「早い・安い」では人を呼ぶことが難しくなってきている。
「そこそこに早く、そこそこに安いが美味しい(もちろん、価格に対しての美味しさという意味だが)」ということを、生活者が求めはじめ、そこに「食の安心・安全」という、食材に対する「質(と言っては大げさだが)」を気にし始めたのではないだろうか?

マクドナルドを凌駕するほどにはならないとは思うが、日本の生活者をどれだけ満足させることができるのか、少し注目をしてみたい。