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IRという利権とグローバル化

2019-12-25 20:14:00 | 徒然

今日、カジノを含む統合型リゾート(IR)参入をめぐる贈収賄で、IR担当大臣であった秋元議員が逮捕された。
日経新聞:秋元議員らを逮捕 IR参入巡る贈収賄容疑で東京地検

秋元議員の逮捕後も、白須賀議員の地元事務所などの家宅捜査とか勝沼栄明前衆議院議員も関与していたのでは?という、今回の贈収賄事件の関係者が、いきなり増えている。
朝日新聞:自民の白須賀衆院議員事務所を捜索 IR汚職巡り特捜部
共同通信:勝沼栄明前衆議院議員も関与か、事務所捜索

わずか1日でこれほど、国会議員が逮捕されたり事務所を捜索されたりするのは、とても珍しいような気がする。
と同時に「カジノを含む統合型リゾート(IR)」に絡む利権は、随分大きなものがあるのだな~という印象を持ったのだ。

議員の収賄としては、300万円という金額は決して高額だとは思えない。
思えないが、「お金をもらう」だけではなく、様々な接待や旅行などの誘いがあり、今回は一企業からの贈収賄ということになっているからだ。
違う言い方をすれば、贈収賄をした企業だけではなく、他の企業も動き、アプローチをしようとしていたのでは?ということが暗に想像できるからだ。

そして今回のこの事件は、これまでの「利権絡みの贈収賄」と大きく違う点は、贈賄容疑となった企業が中国の企業という点だ。
確かに、カジノという「賭博(あえて「賭博」と言いたい)」は、日本では公に認められていないこともあり海外資本の企業がその利権を勝ち取ろうとしたのだろう、ということはわかるのだが、このIRの為に日本の観光地を外国資本が入ろうとしていた、ということもまた事実だ、ということなのだ。

確かに、随分前から「北海道などでは中国籍の人たちが土地を買い占めている」という、噂話はあった。
おそらく今回贈賄容疑で逮捕された企業が、その仲介役をしていたのだろうと思われるのだが、「国土の売買」に国会議員が関わった、ということにも驚いたのだ。

バブル経済が崩壊してから、日本のリゾート地にあるホテルなどが外資に買い取られた、という話は数々あった。
そのような話を聞くたびに、どこか複雑な気持ちにもなった。
外資による再建というところまでは、納得がいくのだが、日本人客ではなく海外からの旅行者の為のリゾートホテルになっているのでは?という、印象を少なからず持っていたからだ。

そう考えると、IRというリゾートは「インバウンド」と言ってはいるが、「日本の文化などに触れたい海外からの旅行者」を対象としているのではなく、「日本でカジノをしたい海外からの旅行者+賭博をしたい日本人」の為もリゾート施設なのでは?という、気がしてくるのだ。

この「IR」という言葉は、電通が「『カジノ』と言う言葉では生活者の理解が得られないのでは?」ということが、つけられた名称のようだが、子供だましのような名称+リゾートという耳障りの良い言葉で、誤魔化し巨大利権を生んでいるだけのような気がするのだ。