先日、メンズファッション誌・GQにチョッと変わった記事があった。
GQ:超豪華なオペラを一番安く楽しむ奥の手がMETライブビューイングだ!
クラシック音楽鑑賞の中でも、オペラは一番敷居の高いのでは?と、思っている。
バブルの時に設計・建築が始まりバブル崩壊直後に開館した「愛知芸術劇場」の杮落しは、Rシュトラウスの「影のない女」だった。
指揮はサヴァリッシュだったと記憶している。
その時の一番高い席は、10万円を超えていたような気がする(それでも、比較的早く完売したはずだ)。
これほど高いチケットは、あまりないとは思うのだがオペラそのものが「(クラシック音楽の)総合芸術」といわれる為、オーケストラ、演者となる歌手だけではなく、豪華な衣装やセットなど公演をするだけでも費用の掛かるものだということがわかる。
それらの機材を空輸し、日本で上演するとなるとやはり高額なチケット代になってしまうのは、仕方ないのかもしれない。
もしかしたら、そのような問題を解決するだけではなく、オペラファンを増やす切っ掛けとなりそうなのが、MET(メトロポリタン歌劇場)のライブビューイングのような気がするのだ。
もちろん、リアルタイムでの上演ではないが、映画館であれば大きなスクリーンで迫力のある映像として、オペラを楽しむことができるだろう。
本場のオペラが映画館で見られるというのは、クラシックファンはもちろん、オペラに馴染みのない人にとっても、魅力的な企画だと思う。
機会があれば、本場メトロポリタン歌劇場で見てみたい!という、クラシックファン、オペラファンが増えるかもしれない。
MET側とすれば、オペラを見る入り口としてだけではなく、劇場の維持管理費などを、公演のチケット販売だけではなく「ライブビューイング」という上映方法によって、得られるという魅力がMET側あるはずだ。
先日、コールドプレイがyoutubeによるライブ配信をすることについてのエントリをした。
新しい「音楽ライブ」の楽しみ方になるのか?ライブ配信ビジネス
コールドプレイのyoutubeも「ライブ映像を生活者に届ける」という点では、METの「ライブビューイング」と同じ思いだと思う。
ただ、コールドプレイはyoutubeをライブ映像配信として選んだが、METのような「映画館を劇場とする」という発想は、なかったのだろうか?
ロックという音楽は、時代を引っ張っていく音楽のような気がしていたが、METの「ライブビューイング」の発想を考えると、案外クラシックのほうが柔軟に時代に反応しているのかな?という、気すらしてくる。
JOYSOUNDの「みるハコ」のような配信システムを使って、リアルタイムで国内の音楽ライブが映画館で見られるようになる日が来るのかもしれない。