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唖然とする「女性の眼鏡禁止」、働く女性に何を求めているの?

2019-11-13 10:22:52 | 徒然

Yahoo!のトピックスだけではなく、Huffpostや米国の最大メディアの一つBloombergなどでも取り上げられた、「女性の眼鏡禁止」という話題。
Bloomberg:女性らしさ求める「眼鏡禁止」に広まる反発ーツイッター上で話題騒然

高校生の頃から急激に視力が低下し、社会人になってからは眼鏡をかけて仕事をするのが当たり前になった。
確かに、就職試験などでは「眼鏡って、不利かな?」と感じることは、多かった。
特に続けざまに落ちた金融関係の就職試験では、そんな印象があった。
当時は、女子行員は窓口業務と決まっていたし、窓口業務を担当するにあたっては「見眼麗しい」ということが、優先されるのだろうな~と、漠然と思っていた。
と言っても、それは30数年前の話だ。

その当時の眼鏡は、デザインも素材も機能も今とは雲泥の差があり、「女性向けフレームデザイン」はどこかオバサン風(=老眼鏡?)か、学生向けのようなものしかなかった。
そのような「選択の余地がない」時代を経て、バブルの頃はフランスのアイ・ウェア・デザイナー・アランミクリなどが紹介され、ファッションデザイナーも眼鏡のデザインをするようになった。
素材も、セルフレームやワイヤーなどだけではなく、チタンなど強度がありながらしなやかな素材も使われるようになり、デザイン+素材で選べるようになった。
何よりも「眼鏡市場」のような、レンズとフレームがセット価格になった比較的安価な眼鏡店が登場したことで、眼鏡そのものが「視力矯正」というだけではなく、ファッション・アイティムとして見られるようになってきたように思っていた。

記事中にある「キャビンアテンダントのコンタクト使用は、危険防止の為」とのことだが、コンタクトレンズそのものは直接裸眼に着けることを考えれば、転んだりしたときのリスクは眼鏡よりも高いような気がする。
まして、国際線のように長時間のフライトでは、コンタクトレンズの連続使用によるリスクもある。
「眼鏡だから危険、コンタクトだから安全」と言い切れるものではない、と思うのだ。

がしかし、日本の一部企業ではそのような意識が無かった、ということだろう。
というよりも、日本の男性が見る「女性像」の中に「眼鏡をかけた女性」が、特異な存在としていまだに見られていた、という気がしたのだ。
むしろ「(働く女性に)何を求めているのか?」という、疑問のほうが大きいかもしれない。
なんとなくだが、昭和の「若くて可愛い女の子の事務員で、腰掛で十分」という、思考が残っているのでは?
それが、日本のジェンダーギャップに繋がっているのかもしれない。