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CMづくりが、難しい時代

2019-11-04 20:38:26 | CMウォッチ

Yahoo!のトピックスを見ていたら「なるほどね!」と、思う記事があった。
元となった記事は、AUTOCARJAPANという自動車雑誌に掲載されていた記事だ。
AUTOCAR JAPAN:日本車のTVコマーシャル、外国人が海外で運転するシーン 理由は? 多様化で表現にも幅

我が家にテレビが無くなってから、8年以上経つので「CMを視聴する=Yahooなどで見ることができるもの」だけになってしまった。
それでも、自動車メーカー各社のCMは他の業種に比べ多いと感じている。
この記事がしているように、日本の自動車メーカーなのに、海外ロケ+外国人が運転するというCMがほとんどだ。
もちろん、ファミリー向け車種であれば、有名無名関係なく日本人タレントさんを起用して、日本のロケーションの良いところで撮影をする、ということが現実的だろう。
何故なら、ユーザーの生活シーンと大きくかけ離れてしまうと、車を使う生活シーンがつかみにくいからだ。
だからこそ、ママタレと呼ばれる女性タレントさんが運転席で、ママ友+子供たちというシーンのCMが、これまで数多くつくられてきたはずなのだ。

ここ1,2年で、自動車メーカー側が売りたい車種が変わってきたように、ネットのアドCMを見ていて感じている。
いわゆる「セダン」とか「スポーツ車」と呼ばれる、車種のアドCMが増えているような気がするからだ。
背景として考えられるのは、これまでファミリータイプのクルマのユーザーの家族構成が変化してきた、ということが考えられる。
ホンダのステップワゴン(初代)が登場したのは、今から20年余り前だったように記憶している。
とすると、このころにステップワゴンを購入した層は、既に50代だろう。
「子どもが成長し、子離れした世代」にとっては、ステップワゴンのようなクルマは大きすぎるし、結婚する前に乗っていた(であろう)スポーツタイプのクルマに買い替えることを検討するようになっても、おかしくはない。

もう一つ考えられるのは、様々なところで指摘されている「若者のクルマ離れ」だ。
「経済的ゆとりがない」という問題もあるが、都市部では公共交通機関が充実している為、あえて「維持コストの高いクルマを持つ必要はない」と、考える若者が増えているとも考えられる。
とすれば、メーカー側も中心となるユーザーを50代で比較的生活にゆとりができ始めている層に向けのCMづくりをするようになるのは、当然だろう。

今の50代はバブル経済の恩恵を受けた世代でもあるため、それなりの「高級感」や「グローバル感」を出さないと、興味を持ってもらえないと広告代理店が判断すれば、上述したような「海外ロケ+外国人の運転」ということになってしまうのは、仕方ない。
ただ、その結果似たり寄ったりのCMになってしまう、というのは広告代理店だけではなく、企業の担当者が「守り」に入っているのでは?という、気もしている。

確かに1980年代~1990年代はじめの頃のCMは、今見ても新鮮さを感じるものが多い。
各社が、自社の文化をCMに入れようという気概もあれば、知恵を絞る時間もたっぷりあったように思うのだ。
「広告媒体」の種類が多くなり、それぞれの「媒体に合わせた広告をつくる」という、枠を一度取り払い、「CMとは何か?」というところから、問い直す必要がある時代になってきているのではないだろうか?


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