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ナイキとAmazon、生活者はどちらを選ぶのか?

2019-11-14 19:58:00 | マーケティング

日経新聞のWEBサイトを見ていたら、以前拙ブログで紹介した「Amazonが戦々恐々としているD2C」の記事があった。
日経新聞:ナイキ、アマゾンへの製品供給打ち切り 米紙報道

そしてファッション専門誌・WWDJapnaでも「ナイキ」がアマゾンから撤退と報じている。

 ファッション専門誌・WWDJapanでも、同様の記事が取り上げられていることを考えると、ナイキのアマゾン撤退というニュースは、今後のファッションブランドやスポーツブランドに与える影響力は、強いと考える必要があるだろう。

今回ナイキがアマゾンからの撤退を決めた理由に「偽造品の対策が不十分」という、不満があったという。
「ナイキ」のブランド価値は世界的に見てもとても高い。
HYPEBEAST:Nikiが今世界で最も価値のあるファッションブランドに輝く(2018年上半期)

GIZUMODO:世界で最も価値ある企業、AmazonがApple&Googleを抜く(2019年ランキング)

スポーツブランドでありながら、ファッションブランドとしてもブランド価値が高いと評価されているナイキ。
総合ブランド価値がAppleやGooleよりも高いと評価されているアマゾン。
「ブランド価値」を大きく傷つける「偽造品」の流通は、両者にとって計り知れないダメージを与えるもののはずだ。
当然、アマゾン側は「偽造品対策」をこれまでもやってきただろうし、これからもやるだろう(というよりも、やらざる得ないはずだ)。
そう考えると、日経が報じているナイキ側の「偽造品対策が不十分」というコメントだけでは、撤退理由としてイマイチ弱い感じを受ける。WWDの記事にあるように、ナイキはアマゾンと共同で「アマゾンオリジナル」という商品を、「偽造品対策」として打ち出すこともしていたからだ。

とすると、WWDが報じているようにナイキ側が、より生活者の生活嗜好や直接的な顧客の囲い込みの意思が強くある、と考えたほうが自然だろう。
アマゾンでの「オリジナル商品」の開発と物流について、学んだことをD2Cという「直販」によって、より需要や生活者の嗜好をキャッチアップしやすくし、スポーツショップなどで流通させている商品とは別の「顧客オリジナル(ベースモデルは、ナイキが提案し購入者がアレンジする)」ようなモノもできるだろう。

それだけではなく、障害者スポーツのような「個々の障害に合わせたスポーツ商品」のような開発なども、考えているかもしれない。
というのも、これまで障害者スポーツで注目されてきたのは「パラリンピック」というイベントの時くらいだった。
ただ「パラリンピック」を切っ掛けとして、障害者がスポーツを楽しむ環境づくりが進んできている、ということもある。
これまでの「スポーツ=健常者」という視点ではなく「スポーツ=すべての人が楽しむ」に変わると、障害者の情報というものが極端に無い、という事実があるだろう。
障害者にとって、一般的なスポーツショップで販売されているものでは、難しい場合どうしても高額になると分かっていてもオリジナルでつくる必要があったはずだ。
そのような状況では「障害者がスポーツを楽しむ」という、環境とは言い難い。

ナイキがD2Cを始めるのは、生活者と直接つながることで起きる「囲い込み」による「ブランド価値の固定化」だけではなく、「障害者スポーツ」に対する他社との差別化などもあるような気もするのだ。

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