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京大のオンライン授業と東大の秋入学

2013-05-23 16:05:46 | アラカルト

東大が「秋入学を検討する」と発表したのは、昨年の今頃だったと思う。
その発表以降、メディアが一斉に取り上げ、「東大秋入学」が論じられた。
この「東大秋入学」が検討された大きな理由は、「海外からの優秀な学生を受け入れたい」というコトだったと思う。
その趣旨からすれば、海外の大学が秋始まりといコトを考えれば、当然の選択だという気がした。

それから1年ほど経ち、今度は京大が「海外からの優秀な学生を受け入れる」ためのアクションをし始めた。
気になるのは東大に比べ、「話題になっていない」と言う点だ。
実は「東大の秋入学」よりも、京大がやろうとしているコトの方が、効果的で、世界的影響力も強いような気がする。
京大がやろうとしているのは、「edX」と呼ばれる、オンライン教育プログラム。
京都大学OCWへようこそ
オンライン上で、京大の講義が京大の学生でなくても受けられる。
しかも、授業料は必要無い。

既にご存じの方もいらっしゃると思うのだが、今回京大が参加する「edX」というオンライン教育プログラムは、MITとハーバード大学など世界のトップ大学の連合による非営利団体によって運営されている。
そしてプログラム配信された内容について、レポート提出などをすれば単位として認められるだけでは無く、その大学への入学も可能となる。
そのため、教育機会が限定される地域の子ども達への、新しい教育プログラムとしても注目されている。
今現在の日本的な春入学という制度はそのままにして、世界中の優秀な学生達を引きつけるコトができる、と言うプログラムでもある、だとも言える。

その様な世界的教育プログラムに、京大が参加するというのにメディアの注目度が低いのはなぜだろうか?
昨夜、一部新聞社のWEBサイトで伝えられただけで、今日の朝刊版などには取り上げられていない様だ。
「有識者」といわれる人達からの反応もない。
日本では「大学進学を希望すれば、全員入学できる=全入時代」といわれるようになった。
その中で、如何に優秀な学生を獲得するのか?と言う問題が、大学側に迫られている。
とすれば、今回の京大の試みはとても面白く、発展性が期待できると思うのだが・・・。

個人的には、英語だけでは無く国内向けに日本語のプログラムもお願いをしたい。
京大の授業を受けたい、と言うよりも学生時代の不勉強さを身にしみて感じているからだ。

ちなみに、昨年ノーベル賞を受賞したiPS細胞の山中教授の2011年のシンポジウムの内容が、↓から見られる。
CIRA 一般の方対象シンポジウム2011(山中伸弥教授講演)