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女性マーケターから見た日々の出来事

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2013-05-13 21:20:10 | Weblog

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バランスが難しい「経済政策」

2013-05-13 13:12:59 | ビジネス

アベノミクスが功を奏し(?)、円安が進んでいる。
この円安傾向で、トヨタなどは収益が随分増えたようだが、それが生活者実感となるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。

しかし、以前から言われている様に「円安=景気回復」という訳では無い。
「円安」になって、収益改善が見込まれるのは「輸出産業」と呼ばれる産業。
実際の生活に関わる多くは「輸入産業」。
毎朝食べる食パンの原材料の小麦などは円高傾向にあった頃から、値上がりが始まりこの円安で、値上がるコトは決定的だろう。
サラダに欠かせない「マヨネーズ」も、キューピーが値上げを発表している。
とは言うものの、食品関係は大手スーパー等のPB商品が増えてきているコトなどから、安易な値上げというのは難しく、PB商品がない地元系の生鮮スーパーなどでは厳しい価格競争を強いられる可能性もある。

そして今日、経財相の甘利さんが「急激な円安は歓迎しない」と、市場の動きを牽制するような発言をしている。
これまでのデフレで、財政的体力が低下しているトコロに円安で物価が上がってしまえば、円安で恩恵を受ける前の生活者の生活そのものが、これまでよりも厳しい状況になり、経済そのものが停滞してしまう可能性が高いからだ。

実際、今朝のラジオ番組で「アベノミクスで、景気が回復した実感がありますか」というリスナーアンケートをしていたが、多くのリスナーからの回答は「実感はない」だった。
少ないながらも「実感がある」と回答した人は「ボーナスが増えそう」、「4月から給与があがった」という回答で、輸出産業が基幹産業となっている東海地方の状況を良く表しているような気がした。
そして多くの人は「アベノミクス効果」というよりも、米国の経済に反映した「円安傾向」と考えている、と言うのもポイントのような気がした。

「アベノミクス」そのものは、アナウンス効果で終わってしまったのでは?と気がする。
2ヶ月ほど前盛んに聞いた様な記憶がある「リフレ対策」というコトも、具体的にはどのようなモノだったのか判らないまま、最近では聞かれなくなってしまった。
小泉さんの時の様な「一部の企業には恩恵がある」と言う経済政策では、日本の経済は持ち直すコトができないのでは?
そんな雰囲気が生活者の中に拡がりつつあり、安倍さんがブルーインパルスの戦闘機に笑顔で乗り込む姿を見て、「何だかな~」と言う思いで、「経済政策のバランス」の難しさというのを実感しているのは、生活者自身のような気がする。