8月30日発表の自作詰将棋の解答です。
▲2四金△同玉▲3四金△同玉▲2五金△4四玉▲3五金△5四玉▲4五金△6四玉▲5五金△7四玉▲6五金△8四玉▲7五金△9四玉▲8五金まで、17手詰
〔解説〕初手は▲2四金です。ここを▲2五金とか▲3五金では△1三玉と逃げられて詰みません。
初手▲2四金に、△同歩は、▲4一馬以下詰み。それで2手目は△同玉と取りますが3手目▲3四金と捨てるのがこの詰将棋のハイライト(これがすべて笑)。ここで玉方の応手が2通りあります。
A.△同玉
B.△同歩
このAコースが「正解手順」となり、Bコースが「変化」です。このB△同歩以下を解説しましょう。
△同歩に、▲4二馬と角を取ります。これに対し玉方3三に合駒をしますがこの時に飛金以外の駒で合いをするのは、▲2三と△同玉3二角以下詰みます(これは15手詰)。なので▲4二馬には3三金(飛でも同じ)が最強の応手で、これには▲同馬とします。以下、△同玉▲3二金△2四玉▲3三角△1四玉▲2五金△1三玉▲1二と△同玉▲2二角成で詰みます(17手詰)。このとき、「歩」が持駒として余ります。
さてここがコメントをくださったMさんご指摘の問題点です。(Mさんどうもありがとう。) このBコースの変化も17手詰です。Aコースの「正解手順」も17手、Bコースの「変化」も17手ということになります。「これでは答えが2つになるではないか」という問題が生じるのです。
詰将棋は「玉方は最長手順で逃げる」というルールがあります。このルールは昭和の初期に、詰将棋の中心メンバーでもあった塚田正夫名人あたりがそのように定めたと聞いています。雑誌などに解答を送るときに、そういうことを決めておかないと困るからそうしたのです。ところが、じゃあ「本手順」と「変化」と同じ手数が2つ以上ある場合はどうする、という問題が残りました。今回の17手詰のような場合です。これを「変同」(変化同手数)とよびます。「変同」は、できれば避けたい。答えが2つある場合、回答者(特に雑誌での懸賞の場合)がどっちを書いていいかわからないからです。
ところが。
同じ「変化同手数」でも今回のように、
Aコース = 駒が余らない
Bコース = 駒が余る
という場合、駒の余らないAを正解手順とする、と(僕は)聞いています。だから問題ないのだ、と。(ほんとなのでしょうか?)
それを僕が聞いたのは、僕の詰将棋友達T君からです。
T君は、僕が詰将棋をつくりはじめた時に知り合った15歳以上年下の詰将棋友達なのですが、彼と出会えたのは僕にとってとても幸運なことでした。T君は中学の時から『詰将棋パラダイス』を購入している詰将棋マニアで、『将棋世界』誌の「詰将棋サロン」で入賞もしています。
「変同」はだめだ、というのもT君におしえてもらいました。
あるとき僕は、T君を相手にこう言いました。
半「だめなんだよな、この詰将棋、きのう作ったんじゃが… どねえしても変同が解消できんのじゃ…」
T「それ、見せてください… なるほど… あ、でも、これは大丈夫ですよ、変同じゃないです」
半「え? 変同じゃろう? ほら、どっちも13手…」
T「この場合はいいんですよ。変化のほうは駒が余るでしょ」
半「えーっ! そうなん?」
T「そうなんです。駒が余らない方が正解とはっきり判るからいいんです。変化の方が長くて駒余りの場合はモンダイじゃけど」
半「あれ、そうなんかあ、へー!」
と、そんな感じで知ったのです。これは詰将棋マニアでないと考えない問題です。ただ、このT君の発言が間違っている可能性もあり、ホントのところはどうなんでしょうね? 僕は、T君を信用して「これでOK」ということにしています。
さて、今回の詰将棋、内容自体は単純です。マニアックな自己批評をすれば、玉方の角(4二)がただの質ゴマの役目しかないところが「はづかしい」ところ。まあ、こんなのが僕らしい感じもする。
ところで、さきに話したLPSAの「日めくり詰め将棋カレンダー2008」、選考が終わったんですって。応募総数600かあ! 採用確率60パーセント! ドキドキ…、です。
◇王座戦 羽生善治 1-0 久保利明
▲2四金△同玉▲3四金△同玉▲2五金△4四玉▲3五金△5四玉▲4五金△6四玉▲5五金△7四玉▲6五金△8四玉▲7五金△9四玉▲8五金まで、17手詰
〔解説〕初手は▲2四金です。ここを▲2五金とか▲3五金では△1三玉と逃げられて詰みません。
初手▲2四金に、△同歩は、▲4一馬以下詰み。それで2手目は△同玉と取りますが3手目▲3四金と捨てるのがこの詰将棋のハイライト(これがすべて笑)。ここで玉方の応手が2通りあります。
A.△同玉
B.△同歩
このAコースが「正解手順」となり、Bコースが「変化」です。このB△同歩以下を解説しましょう。
△同歩に、▲4二馬と角を取ります。これに対し玉方3三に合駒をしますがこの時に飛金以外の駒で合いをするのは、▲2三と△同玉3二角以下詰みます(これは15手詰)。なので▲4二馬には3三金(飛でも同じ)が最強の応手で、これには▲同馬とします。以下、△同玉▲3二金△2四玉▲3三角△1四玉▲2五金△1三玉▲1二と△同玉▲2二角成で詰みます(17手詰)。このとき、「歩」が持駒として余ります。
さてここがコメントをくださったMさんご指摘の問題点です。(Mさんどうもありがとう。) このBコースの変化も17手詰です。Aコースの「正解手順」も17手、Bコースの「変化」も17手ということになります。「これでは答えが2つになるではないか」という問題が生じるのです。
詰将棋は「玉方は最長手順で逃げる」というルールがあります。このルールは昭和の初期に、詰将棋の中心メンバーでもあった塚田正夫名人あたりがそのように定めたと聞いています。雑誌などに解答を送るときに、そういうことを決めておかないと困るからそうしたのです。ところが、じゃあ「本手順」と「変化」と同じ手数が2つ以上ある場合はどうする、という問題が残りました。今回の17手詰のような場合です。これを「変同」(変化同手数)とよびます。「変同」は、できれば避けたい。答えが2つある場合、回答者(特に雑誌での懸賞の場合)がどっちを書いていいかわからないからです。
ところが。
同じ「変化同手数」でも今回のように、
Aコース = 駒が余らない
Bコース = 駒が余る
という場合、駒の余らないAを正解手順とする、と(僕は)聞いています。だから問題ないのだ、と。(ほんとなのでしょうか?)
それを僕が聞いたのは、僕の詰将棋友達T君からです。
T君は、僕が詰将棋をつくりはじめた時に知り合った15歳以上年下の詰将棋友達なのですが、彼と出会えたのは僕にとってとても幸運なことでした。T君は中学の時から『詰将棋パラダイス』を購入している詰将棋マニアで、『将棋世界』誌の「詰将棋サロン」で入賞もしています。
「変同」はだめだ、というのもT君におしえてもらいました。
あるとき僕は、T君を相手にこう言いました。
半「だめなんだよな、この詰将棋、きのう作ったんじゃが… どねえしても変同が解消できんのじゃ…」
T「それ、見せてください… なるほど… あ、でも、これは大丈夫ですよ、変同じゃないです」
半「え? 変同じゃろう? ほら、どっちも13手…」
T「この場合はいいんですよ。変化のほうは駒が余るでしょ」
半「えーっ! そうなん?」
T「そうなんです。駒が余らない方が正解とはっきり判るからいいんです。変化の方が長くて駒余りの場合はモンダイじゃけど」
半「あれ、そうなんかあ、へー!」
と、そんな感じで知ったのです。これは詰将棋マニアでないと考えない問題です。ただ、このT君の発言が間違っている可能性もあり、ホントのところはどうなんでしょうね? 僕は、T君を信用して「これでOK」ということにしています。
さて、今回の詰将棋、内容自体は単純です。マニアックな自己批評をすれば、玉方の角(4二)がただの質ゴマの役目しかないところが「はづかしい」ところ。まあ、こんなのが僕らしい感じもする。
ところで、さきに話したLPSAの「日めくり詰め将棋カレンダー2008」、選考が終わったんですって。応募総数600かあ! 採用確率60パーセント! ドキドキ…、です。
◇王座戦 羽生善治 1-0 久保利明