浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「垂訓」

2023-08-25 00:07:55 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

 恩師の御著書「真理を求める愚か者の独り言」より


     第一章 或る愚か者の生涯

   ◆親孝行ができたと思うこと◆

私は八人兄弟の五番目として生まれました。
長じて独立し、親も老いてから、
私の家に遊びに来てくれる度に、
「八人も子がいるけれど、
おまえのところに来るといちばん気持ちが安らぐ」
と父母から言われておりました。

それだけに兄弟から嫉妬、反感を受けていたようです。
しかし、それも現在ではすっかり調和しています。
母は私がお腹にいる時に、たいへん重く感じたそうです。
体重が四キロ近くあったから重いということではなく、
ひどく重く感じたそうです。

しかも、誕生が七月二十五日でしたから、
「おまえは親不孝や」とよく言われたものです。
暑い最中に生まれ、おまけにえらく重くて
しんどい目に遭わせたから、
そのように言われるのは当然と思っていました。
ところが、私が稼業の織物業をやめて、
人さまのためにあちこち飛び回るようになりますと、
寸暇を惜しんで我が身も顧みずに東奔西走する倅の姿を見て、
自分の身は過ぎたる方に宿っていただいたために
あのように身が重く感じたのだと
思うようになったそうです。


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