恩師のご著書「講演集」より
講演、四
死に際して、私たちが救われるには
人の肉体が造られた時、すでに苦しむには、苦しむ原因がちゃんと
与えられているのです。
自分のいとしいものを人がいじめた時、
憎いと思う人をかばう人がいた時は、
腹が立つようになっているのです。
自分のものを奪いにきた時は、これを守ろうとして苦しみます。
病気、年老いること、やがて死んでいくこと、
これらも避けることができないように造られています。
今日こうして生きさせていただいておりますが、
私たちは永遠に生きるかのような錯覚を起こしております。
ご近所の方が亡くなると、「ああ、お気の毒になあ」と、
人ごとのように思っておりますが、
その死はやがて自分に訪れる姿です。