経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

中小企業の知財戦略2

2007-03-23 | 知財発想法
 昨日の記事や「知的財産の定義と知的財産戦略」の記事で考えた2つの考え方の相違について。もう一度整理すると、
① 「知的財産権で括った範囲が知的財産である。」
 ⇒ 「知的財産権」で独占できる領域を確保して、事業を進める。
 ⇒ どうやって独占領域を確保していくかが「知的財産戦略」である。
② 「知的財産は企業活動から生まれ、その知的財産は知的財産権で保護し得るものである。」
 ⇒ 知的財産を活かして事業を進めるのに、知的財産権を取得できると有利になる。
 ⇒ 事業の優位性を知的財産権によってどのように固めるかが「知財戦略」である。
ということになるかと思います。
 要すれば、どちらが正しいというものではなく、事業の性格がどちらに適しているかによって区別すべきものなのではないでしょうか。知的財産権で「事業領域」(「技術的範囲」ではない)を括り得るもの・事業の性格として独占権が確保されていないとお話にならないもの(製薬etc.)は①、知的財産権で括り得ないものも含めた競争となるもの・全てが独占権でカバーされていなくても勝ち残り得るもの(機械・電機etc.)は②、という整理ができると思います。

 こうして考えてみると、「弁理士の業務」について考える場合にも、専権業務が広がる範囲でどのように業務を進めるかという①的なアプローチと、知財に関連する仕事に関わりながらその一部として専権業務が含まれるという②的なアプローチがあり得るように思います。これもどちらが正しい云々というより、やろうとしている業務内容の方向性によって異なってくるというところでしょう。


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