経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

知財業務の5W1H

2007-11-09 | 知財一般
 アルファガーの磯崎氏が、「『法と経済学を司法試験科目に』に大賛成!」と論じられています。司法試験の科目にすることの適否まではよくわかりませんが、前提となる問題認識には大いに共感するとともに、我々の業界にも同じことがいえるのではないかと思います。特に、
普通の企業や会社員が、何が「得」で何を「損」と思っているかを理解してもらえればなあ
という部分は、知財業界で私がよく感じていること(このブログでもよく書いていますが)と全く同じ感覚です。
 弁理士のことを、よく「技術と法律の専門家」といわれますが、弁理士のような知財の専門家が登場すべき場面を5W1Hに沿って考えてみると、
 What(何を)・・・ 技術
 How(どのように)・・・ 法律
となりますが、それ以外の、Who(誰が・・・自社と競合他社の関係etc.)、When(いつ・・・事業計画のどのタイミングでetc.)、Where(どこで・・・企業内のどの部門でetc.)、Why(どうして・・・どのような競争環境を作り出したいかetc.)は、いずれも経済的な要因によって判断されるものです。これらの要素は企業側(企業内であれば知財部以外の部門)で判断するから、WhatとHowさえ考えてくれればいいよ、というポジショニングも構造上はやむを得ないところはあるのですが(最終的なサービスはそこで提供されるので収益源はどうしてもその部分に限られてきてしまうわけですが)、WhoやWhyなどを捉えられる感覚があると、受け渡しがはるかにスムーズになるのではないかと思います。

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2 コメント

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Unknown (大阪の弁理士受験生)
2007-11-10 09:40:20
私も、この考え方に全く同感です。
企業を取り巻く事象は、法と経済で形作られます。
確かに、企業成長の源泉は、知的財産だと思いますが、法と経済を無視して(理解せず)、知財重視を主張しても、明らかに齟齬が生じてしまいます。
ただし、これは、今の日本の教育システムがおかしいため、こうした齟齬が生じるのだと思います。大学生の時点で、理系・文系と完全に分かれてしまい。法律、経済、技術のそれぞれの専門知識しか学ばない人材しか輩出しないからです。本来はこれら3つの要素を浅く広く学んだ上で、専門的な知識を学べるようなシステムになればよいと思います。
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Unknown (土生)
2007-11-11 00:17:39
大阪の弁理士受験生さん、
コメントありがとうございます。
日本の大学にも、本当は「教養課程」というのがあるにはあるのですがね・・・
先日もある企業の知財部長さんとも、知財の仕事をやるにしても財務の基本くらいはわかっておいたほうがよい、という話をしていました。財務というのは企業を支える重要な要素の一つなのですが、日本には何か「お金の話は必要悪」みたいな風潮があるのが問題であるようにも思います。
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