経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

暗黙知を言語化する本当の意味

2007-06-18 | 書籍を読む
 知財の世界では、「暗黙知」を「形式知」に置き換えることの重要性がよく説かれます。この意味について、「技術・ノウハウを組織で継承していくためには、属人的な職人芸の世界である暗黙知を脱して、他の人にも伝達することが可能な形式知に置き換えなければならない」と教科書通りに理解していました。
 昨日、田坂広志氏の「なぜ、時間を生かせないのか」を読んでいて、その本当の意味がわかったような気がして、まさに目から鱗が落ちました。
 田坂氏曰く、本当に価値のある暗黙知は決して言語化できるものではない。しかしながら、可能な限り言語化を試みることによって、暗黙知を体得しやすくなることが重要なのです。確かに、自分の様々な経験から何となく感じていたことが、他の人のある表現の中に、「そう、そこが重要なんだ」と感じられることがあります。その表現こそが、暗黙知の体得に役立つ言語化された形式知なのです。この形式知は、暗黙知を体得している人にとっては非常に価値のあるものですが、体得していない人にとってみればただの言葉でしかありません。わかる人にだけわかる、という恐ろしい世界です。
 例えば、イチローの発するメッセージにそういう類のものが少なくありませんが、
ムダなことを考えて、ムダなことをしないと、伸びません。」(イチロー262のメッセージ No.51)
なども、暗黙知に近い形式知の典型例であると思います。

なぜ、時間を生かせないのか―かけがえのない「人生の時間」に処する十の心得

PHP研究所

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