経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

特許侵害確信犯とコンプライアンス

2006-12-21 | 企業経営と知的財産
 タウンミーティングのやらせ問題、政府税調会長の辞任、日興コーディアルの決算訂正と、いずれも不祥事絡みのニュースが毎日のように報道されていますが、こうした事件が増えている背景には、以前に比べると人材の流動性が高まり、内部告発が起こりやすい状況が生じていることが影響しているのではないかと思います(これらの事件が内部告発で明らかになったのかどうかはわかりませんが)。
 特許権を取得した後、特に製造方法やソフトウェア特許などでは、よく「侵害されたってどうせわからないではないか。」と言われることがあります。確かにこれらの特許は、物の特許に比べて外部からの立証が困難であることは間違いありません。しかしながら、コンプライアンスが厳しくいわれるようになった昨今の情勢を考えると、会社の中で「そんな特許、侵害してもどうせわからないんだから、やってしまっていいよ。」と意思決定をすることは、それなりに、というかかなり勇気(?)のいることなのではないでしょうか。時代の流れとして、抑止力という観点からは、特許権の効力は増すようになっていくのではないかと思います。