経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

増えるか、「何でもいいから特許にして。」

2006-12-17 | 知財業界
 久々に特許出願の件数増加につながりそう(?)なニュースです。
 「入札で『技術力』も評価」の記事によると、ベンチャー企業が政府調達の競争入札に参加しやすくするように、入札への参加基準にベンチャー企業が持つ技術力を評価対象に加え、特許保有件数が評価項目の一つになるとのことです。
 数年前には、東京都の技術開発関連の助成金だったかを申請するのに「特許出願中」と書くと評価が上がる、という理由で出願依頼を受けたこともありましたが、記事のような制度が本当に導入されるとすると、まだまだ「特許=技術力の証である」という誤解は政府レベルですらなくなっていないようです。特許事務所には、何でもいいから要件を限定して特許にして、というリクエストが増えるのかもしれません(笑)。
 ベンチャー企業を入札に参加しやすくすることが本来の目的であるのならば、特許の件数みたいな項目を設けなくても、売上や営業年数の基準を緩和するとか、調達額の数%をベンチャー企業に割り当てるようにするとか、もっと直接的な手段をとればいいように思いますが。