経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

東証マザーズ時価総額ランキングから将来の知財業務を考える。

2006-12-01 | 新聞・雑誌記事を読む
 昨日の日経金融の市場面に、昨今の新興市場の株価下落で、東証マザーズの株価指数が公表開始(2003年9月)当初の水準まで振り出しに戻ってしまった、という記事がありました。この記事にマザーズの時価総額15位までのランキングが掲載されているのですが、ACCESS、DeNA、ミクシィ・・・と、なんとメーカーが1社もランクインしていません。5位のタカラバイオが微妙かもしれませんが、いずれにしてもメカやエレクトロニクスはゼロで、ソフトウエアにまで広げても技術系と言えそうなのはACCESSとアプリックスくらいです。
 日本のベンチャーはサービス系が圧倒的に多いとはよく言われることですが、次世代を担う企業群のこうした顔ぶれを見ると、知財業務の中でコテコテの特許の世界が占める割合というものは、将来的には減少傾向に進んでいくのではないかと思います。しかしながらこれらの企業群も、決して競合との争いが存在しないわけではありません。むしろ、技術的な要素が少ない分だけ参入障壁は低くなり、競争は激化する傾向が強まるのではないでしょうか。そうなると、「知財業務」の目的をより広義に「参入障壁をどのように形成するか」と捉えた場合、考えるべき材料はむしろ多くなってくるはずです。また、サービス系とはいっても技術のインフラを前提にしている企業が多いため(DeNA、ミクシィ、サイバー、CCIetc.)、特許の出番がないわけではありません。但し、メーカーのように「特許で固める」という参入障壁は考え難いので、参入障壁の形成に「特許をどう利用するか」という発想の転換も重要になってくるように思います。