経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

コンテンツ立国とテレビ局のPBR

2006-12-06 | 知的財産と投資
 今日の日経金融新聞に、PBR(株価純資産倍率)の低い銘柄が「三角合併」の解禁を前に見直されている、という記事が掲載されています。この記事の図表に東証1部の主なPBR1倍割れ銘柄が列挙されているのですが、その中に「テレビ朝日」とあるのがちょっと意外でした。
 テレビ局というと、コンテンツ資産がストックされて知的財産の豊富な会社、というイメージがあります。知的財産は、移転などで顕在化しない限りはその経済的価値はオフバランス資産となるはずなので(実際、テレビ朝日の連結財務諸表にはコンテンツ資産らしき多額の資産が計上されているという形跡はなさそうです)、普通に考えるとPBRは高くなりそうな感じがします。ところが、テレ朝だけでなく、日テレもフジテレビもPBRは1倍そこそこで、オフバランス資産は殆ど無いに等しいという評価がされていることになってしまいます。国家の知財戦略が語られる中で「コンテンツ立国」はキーワードの一つとなっていますが、この事実をどう解釈すればよいのでしょうか。
 テレビ局を詳しく分析したことはないので理由はよくわかりませんが、テレビ局が番組に関する権利を保有していないのか、テレビ番組には再利用の価値がないと判断されているのか、他に不採算部門や不良資産を抱えていると判断されているのか、資産があっても収益化する力がないと評価されているのか、一体何が原因なのでしょう。