きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

ダム賛成派・反対派を表明するその裏は

2009-10-20 11:26:42 | Weblog
ダム賛成派・反対派を表明するその裏は          (009.10.20.)

公共工事、八っ場ダム建設問題は、当初国側は、利根川流域の治水・利水の為に必要性を強調し、地域住民の反対を押して、開始したが、工事の進展は反対派の抵抗もあって遅々として進まず、50年以上経った現在やっと本体工事が行えるまでに来た。

しかし、この半世紀の間、状況の変化によって治水・利水の必要性が無くなり、ダム建設そのものも、無意味な工事と見られてきた今日、民主党は、工事の継続は即税金の無駄使いであるとの判断から、工事の中止をマニフェストに謳っている。

そかし50年の経過の中で、地域の形状は様変わりし、湖底に沈む予定の村は高台に移転し、田畑を含めて、ダム湖になってしまう事に住民は諦めその気になった所であるが、民主党による政権交代が、必要のないダムに今後も投資する事は出来ないと中止を宣言した。

八っ場ダムの工事には、最早、ダムその物の必要性と言うよりも、膨大な工事費が今まで掛かった分と、これから完成までに掛ける分とがあって、ダム賛成派(工事継続派)は「折角此処まで遣ったんだから、完成させた方が良い」と言うし、反対派(中止派)は「必要の無いものにこれ以上の投資は無駄である」と言う言い分である。

賛成派が賛成を表明する裏には、工事による恩恵を受ける人たちが多く、工事を請け負った「ゼネコン各社からの寄付や支援」によって今の地位を得ている、自治体の首長はじめ、議員や役人、また地域の商業活動も工事に係わる人口増等が、消費する経済で村をウルオしている事が賛成を表明する、理由になっているものと思われる。

反対派が反対を表明する理由としては、当然「必要でない無意味な工事を継続する事こそ税金の無駄使いである」と言う事に過ぎないからだと思われる。

従って、賛成する人は工事に係わる人達が多く、反対する人は工事に関係は無いが、税金の無駄使い、自然環境の破壊を、取り上げて、反対を表明する人たちである。

そうして、もう一つ忘れてはならない人たちは、祖先から引き継いで生活をして来た人たちで、賛成・反対の渦に巻き込まれた、八っ場抱ダム被害者である。

この様な経過の中で、この問題を解決する一番大切な事は、八っ場ダム被害者の救済ではないでしょうか。

利根川水系に関係する6県の知事が全員一致で、ダム建設の続行を決議したと言うが、彼らの、取り上げている中止に対する問題は、建設に出資した県の出資金を返せと言う事である。

確かに、今までの投資費用は、無駄になるかも知らないが、全国民的な見地から見て、この上、無意味な投資を続ける事こそ、無駄を増やすもので、仮にダムが完成しても維持費に掛かる費用も膨大で、特に、八っ場地区は、浅間山の火山灰が堆積している事から、専門家の意見として、“地すべり”を起こしやすく、湖底の堆積土砂が多い事も難題の一つであると言われている。

八っ場ダム問題の現状は、「誰の責任か?」と言われれば、民主党の責任でも、前原大臣の責任でもありません。
むしろ、強いて言うならば自民党政権が今日まで放置して来た、悪政の“付け”ではないでしょうか。

そして被害者に対する救済策は、与野党超党派で、解決する事が大切で、6県の首長達も揃って、反対を表明している立場ではありません。
中止するのは、今こそ、そのチャンスで、政権交代だからこそ出来るのです。

日本の土建立国体質は、公共工事の削減から大鉈を振って取り組む事からはじめないと体質改善は出来ません。

此処へ来て、10兆や20兆の財政赤字が増大しても、断固としてやらないと、前政権からのマイナス遺産を乗り切る事は出来ません。そのために全国民が一丸となって協調する事ではないでしょうか。
(えびなたろう)