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つれづれの記

日々の生活での印象

原発の再稼働  その2

2012年02月12日 17時23分37秒 | 日記

2012年2月12日(日) 原発の再稼働 その2

 

 

停止している原発の再稼働については、当ブログの下記記事

   原発の再稼働 その1 (2012/2/10)

で触れたところだが、今回は、その続編である。

 

大飯原発3、4号機について、関電が、今回の原発事故を教訓として、どのような問題点を見つけて、設備やシステムについて、どのような対策を打ったのか、そして、どのような評価をして、報告書を提出したかは、詳細は分らない。 一部報道で仄聞する所では、設計時の何倍もの地震や津波にも耐えられる、ともあるようだ。でも、設計時の何倍かが大事なのではなく、東日本大震災と同等の地震や津波に対しても、重大事態に至らない、と言うことが肝心なのは言うまでも無い。

 

対策と評価に当たってのポイントは、以下の2点と考える。

 

① 先ず、想定する自然の脅威だ。

自然現象として起こる脅威には、理論的最大値などはありえず、その対策にも、絶対安全とか、100%保障などは、あり得ない。

福島第一は勿論、国内のどの原発でも、これまでは、今回の大震災のような地震と津波は、起こるとは思っておらず、想定外だったのだが、実際に起こったのだ。

以下の情報は必ずしも正確ではないが、福島第一原発の設計値では、地震の震度は、5強 438ガル(実際は 6強 550ガル)、津波の高さは、6.5m(実際は 13.1m)だったようだ。

大昔の、貞観津波の例など、一部の識者は、その危険性を指摘していたのに、それが、安全神話の下に、配慮されなかった、とも言われる。

今回のように巨大な地震や津波は、少なくとも、東北の太平洋沿岸では、1000年に一度位だから、もう数100年は来ないだろう、また、日本海側など、原発の立地場所によっては、地盤の構造から、巨大地震は考えられない、と言えるかもしれない。

でも、これだけ深刻な放射能被害を経験した今は、腹を据えて、国内のどの原発でも、東日本大震災のような、或いは、それ以上の地震や津波が起こる、ということから評価を始めなければならないと思う。

前回の、その1で触れた、EUのストレステストの例にあるように、やはり、自然の脅威を、弱めに見積もりたい、という思考が働くようだ。

 

② 次のポイントは、どのような地震や津波の脅威まで、ほぼ完全に耐えられるか、という「防災」の思想と、仮に耐えられなくなって破壊されても、如何に重大な影響を押さえられるか、という「減災」の思想を区別することだ。

今回のような地震と津波に対しても、原発の安全性を、ほぼ100%保証するとすれば、膨大な費用がかかるわけだが、これは、防災の思想だ。

しかし、今回の事故を見るに、余りコストを掛けない工夫と対応で、決定的に深刻な事態(シビアアクシデント)に至らない様にする、或いは、それまでの時間を稼ぐことも、重要で、これは、減災の思想だ。このような減災の思想に立てば、深刻な事態は、かなり防げるのではないか、と思えるのである。

 

今回の事故で、現在の沸騰水型原子炉の最大の弱点は、全電源喪失という事態であることが分った(あるいは、元々、分っていたのかも知れない)。それが原因で、原子炉の冷却が出来なくなり、メルトダウンという最悪の状況になった。そして、専門家や関係者の誰も予想できなかった、水素爆発が起こり、これが、大量の放射性物質の拡散・飛散を招いている。

 

今回の事故で、地震と津波がどのように影響したのかは、今後の解明が待たれる所だが、大雑把に言って、地震に対しては、これまでも、機器や配管等でかなり配慮して来たと思われる。 一方、津波に対しては、殆ど、無防備だったと言えるのではないか。

素人的ながら、これまでのブログでも触れているが、減災の思想に立って、津波対策を主体に、比較的低コストで、比較的短期間に出来る、以下の様なものから実行可能と考える。

 

・商用電源系統の多ルート化、複数号機間の亘り配線の確保

・非常用電源設備とその燃料の配置場所の工夫

・原子炉建屋の出入り口等の防水措置の強化

・非常用復水器イソコンの習得訓練実施

・制御室全停電時の対応マニュアル整備と訓練

 

これらは、ストレステストなどと改めて言わなくとも、今回の事故の教訓として、経験的に分った対策であろう。

 

一方、防災の思想で、津波の被害を避けるために、中長期的に、場所を高台にしたり、複数の原発を集中させずに分散する、なども考えられる。が、高台では、海が遠くなると、輸送や冷却水の問題があり、分散すると、かえって危険が拡散し、地域との調整も面倒になる、と言った問題もある。

津波対策として、巨大で、長~い、万里の長城の様な防波堤を、原発の周囲に構築するといった対策もあろうか。

これらを実施するには、かなりの経費と時間を必要としよう。

 

○事故原因や、事故後の対応の問題等について、事故調査・検証委員会(畑村委員会)の中間報告が先日出された。

(当ブログの、下記記事 参照)

原発事故の検証 (2012/1/14)

この夏に、この委員会の最終報告が出される予定のようで、これが公表され、事故原因や問題点が分って、漸く、本格的な対策が取られる、と言うのが本来の筋である。2/8の公聴会でも、そのような発言もあったようだ。

でも、それを待ってからでは遅すぎる、という感じがあるのも事実で、ほぼ間違いないと思われる対策については、できるだけ早期に、実行に移して、次の災害に備えて行く事も必要である。

 

先述の様な対策については、中間報告でも指摘されているが、これらは、最終報告ではどのように位置づけられるのだろうか。 又、中長期的な対策については、どのように方向づけられるのだろうか。更に、新たな原因や問題点が判明して、今後の原発の安全性の方向づけで、有効な対策も出て来ることを、期待したいものだ。

 

○今回の原発の再稼働について、内容に関することではないが、情報の公開のやり方も、極めて重要だ。都合の悪い情報は隠して、見栄えを良くすることは世の常だが、いわゆる、安全神話の手法ではなく、ここは、オープンで行かなければならない。

もともとの設計値ではどうで、震災を教訓に、今回、何をどのように措置し、それによって、どのように改善されたのかを、明確にし、公表することが重要な点だ。

この手法は、化粧品のコマーシャル等で、使う前(before)と使った後(after)を、左右に対比した映像が良く出て来る、あれだ。 あれと同じ様に、震災前の設備等の状況と、対策後の設備等の状況を、対比する等して、誰にでも分るような形で、示して欲しいのだ。

 

密室に近い環境で、いくら専門家がチェックしたとはいえ、公聴会では、ややもすると、都合のいい意見しか言わない委員が居たり、事務局が無理やり結論を作文するようなら、原発に批判的な勢力や、地元の住民や自治体の関係者でない一般の国民にも、信用できないのは当然である。

 

○経済・社会活動の活性化に向けて、この夏の需要期は、必要な電力は大いに消費すべきで、それに向けてどう進めるかがポイントだ。

差し向きは、比較的短期間で、低コストで出来る対策を行い、beforeと、afterの違いを、分りやすく公表し、地域・国民の理解を得て、可能なところから、原発の再稼働を行う必要がある。

勿論、かなり近い将来に、大きな地震が想定される、関東から東海、中部、近畿、四国にかけた一帯の原発には、格段の対策が求められる。

 

一案だが、現状で可能な対策を施した上で、例えば、5年などの期間を限定して、原発を再稼働する。そして、再生可能エネルギーへの転換の筋道が、何とか見えてきたところで、原発を、徐々に、自然死に持っていき、お役御免とする、という案も考えられる。

完璧と思われる安全対策を施さない限り、原発の再稼働は、一切許さない! などと、思いつめる必要は無いのではないか。

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原発の再稼働 その1

2012年02月10日 14時40分26秒 | 日記

2012年2月10日(金) 原発の再稼働 その1

 

 

○昨年の3.11の地震と津波により、福島第一原発は破壊されるとともに、各地の原発が停止した。 その後、東海地震等の危険を想定して浜岡原発を強制停止するとともに、計画的な定期検査もあり、多くが停止したのだが、安全性に対する不安から、地域住民の理解が得られず、事故後も、一部は動いたものの、殆どが凍結状態で、再稼働の見通しは立っていない。当ブログでも、

 原発の全面停止(2011/8/31)

の記事で、各地の原発が定期検査終了後に再開ができないとした場合、この2012年春には、54基全機が停止するとの、NHKのニュース番組を紹介している。 その時に使った写真を、下に再掲するが、まさか、そんなことにはなるまい、と思って来た。 

 全機停止(2011年8月の番組)

 

ところが、ところがである、昨年後半以降、停止した原発の再稼働が、全く出来ない状態が続いている。そして、最近では、先日、1月25日に、柏崎刈羽原発5号機が定期検査入りで停止したのに続き、27日には、島根原発2号機が、同様に定期検査入りで停止した事で、国内の現役原発、全54基の中で、51基が停止することとなり、94%が使えないという事態になっている。

しかも、稼働している残る3機も、それぞれ、以下のように、この春までに定期検査のために、停止する予定だ。

 関西電力  高浜3号機   2/20~定期検査

 東京電力  柏刈羽6号機 3/10~定期検査

 北海道電力 泊3号機    4/  ~定期検査 (昨年8月再稼働)

まさか、定期検査を延期する訳にもいかず、国内電力需要の3割程度を賄ってきた原発が、全く使えないと言う、原子力発電が開始されて以来、嘗て経験した事のない、異常事態が、目前に迫っている。

 

○原発が、定期検査で次々と止まって、動かなくなる中で、電力各社は、火力発電を急遽増強する等の対策を取るとともに、企業や一般家庭での節電が、国を挙げて実施されてきたところである。

昨年夏の場合は、需要期を前にした、節電キャンペーンの効果は大きく、何とか、乗り切るとともに、この冬も、大変な寒波の中だが、何とかかここまで来ているのは、不思議なくらいだ。時折、電力使用率が90%を越えた地域のニュースも聞くが、全体として、需給状況は、どの位になっているのだろうか。

でも、今年の夏場は、原発が全く使えないとすると、かなりのピンチになるのではないか。これを避けるために、昨年以上の、一層の節電を行うとすると、震災からの復興も含めた、企業活動や社会活動に与えるマイナスの影響は、相当大きいのでは、と懸念される。

 

○言うまでも無く、福島第一原発事故を踏まえて、わが国の今後のエネルギー政策をどのような方向に持っていくのかは、極めて重大な課題で、当面する需要にどう対処するか、と共に、中長期的な方向づけも肝要となる。

当面の問題としては、原発の位置づけと再稼働の問題がある。誰しも、原発事故はもうごめんで、出来れば稼働させなくて済めば、という思いだが、かといって、明日から、原発は一切やめて、稼働させないままでは、当面はしのげないので、再稼働は必須と考えられる。

各原発で、どのような対策と評価をして、再稼働に踏み切るかが、関係する自治体だけでなく、全国民的な、緊急の課題だ。

このカテゴリーの延長線上に、建設中の原発の扱いをどうするかも含まれよう。

 

中長期的課題としては、化石燃料や原子力利用から、再生可能エネルギー利用社会への転換があり、地球環境問題とどのように取り組むかも、大きな問題だ。当ブログでは、今後、これらについても、整理していきたいと思っている。

今回は、当面の原発の再稼働に関連して、先ず、安全性の評価や、ストレステストについて、触れることとしたい。

 

○福島第一原発の事故を契機に、EU内で行うこととしたストレステストを、IAEAが支持し、推奨したことで、現在は、これが、原発の安全性評価の、国際基準のようになっている、と言えるだろう。

「ストレステスト」とは、元々は経済用語のようであるが、原発の安全性に関しては、地震・津波等の自然の脅威や、人為的な事故等に対して、設備やシステムが、どの位まで耐えられるか、どの位でだめになって、シビアアクシデントを引き起こすか、を明らかにするというものだ。この評価作業を、設計値等を基に、コンピュータ上のシュミレーション、等を駆使して行うという。

日本では、昨年の夏に、このEUのストレステストをベースに、停止中の原発の安全性を再評価し、それに拠って、地域や住民の理解を得て、再稼働に持っていこうと、方針と方向が示された。だが、その当時は、このストレステストへの取り組みについては、国内の政治的な不安定さもあって、良く見えなかった。自分としても、ごく最近になって、保安院のHPに、関連する情報が掲載されているのを、初めて確認した所である。

一次評価、二次評価等の、ストレステストの内容については、殆ど把握していないが、各電力会社は、実施スケジュールに基づいて、定期検査に合わせて、テストを実施し、その結果を、保安院に提出している。 保安院のHPによれば、現在、Ⅰ6基の原発のテスト結果が、下図(部分)のように、提出されており、それを保安院が、現在審査中とある。

 

今般、関電 大飯原発3、4号機の再稼働を巡る流れのなかで、IAEA調査団が来日するとともに、2/8に、意見聴取会が開催され、その状況が報道されたことで、社会的な関心が高まったようだ。

報道によれば、意見聴取会では、意見の対立もあったようだが、保安院としては、無理筋を覚悟で、承認されたとの結論を出し、次のステップへ、進めるようだ。

事故原発が何とか大人しくなって、廃炉に向けた工程が進められるようになった今、再稼働の問題がクローズアップされて来た、と言えようか。

 

IAEA調査団は、先月の23日~31日の間、日本政府の招きで来日したものだが、日本でのストレステストのやり方を評価し、大飯原発の現場も見学したが、結果は、「妥当」だったようだ。 でも、これは、あくまでも、日本でのストレステストの方法論を検証したもので、原発自体の安全性に太鼓判を押したものではなく、この点は、調査団長も強調していたところだ。一般論的には、方法論的に正しければ、それに準拠して行われた評価も妥当、という事にはなる。

が、評価作業時の入力となる、地震の規模や、津波の高さなどについて、どこまで想定するのが妥当か否か、については、IAEAとしては、何とも言えないのではないか。

ストレステストは、安全性評価の必要条件の一つであって、十分条件とは言えないのである。

 

○この1月の上旬だが、EU内の各国で、原発のストレステストを行い、その報告を受けて、規制当局が審査した結果が報道された。ストレステストを行ったとは言うものの、東日本大震災での、巨大地震や巨大津波による事故の教訓が、殆ど生かされていないお粗末さに、唖然とした。

それに対して、各国の規制当局は、自国の電力会社に、以下のように、差し戻しで、評価のやり直し(⇒印)を命じたと言うのが、せめてもの救いである。

 ドイツ:想定外の地震については、時間不足で未調査

     ⇒飛行機事故や電源喪失などのケースを継続調査

 オランダ:洪水は極めて稀れ

     ⇒堤防が決壊する場合を含めた再調査、耐震性の確認も不十分

 ブルガリア:

     ⇒移動式の電源設備、排水設備の整備を

 ハンガリー:

⇒洪水への耐性が弱い、地震に伴う土壌液化への対策不十分

フランス:

⇒極限状態への耐性を向上させること

フィンランド・スエーデン:

⇒高波や吹雪への対策を 

EU全体としては、各国の対策と評価を整理し、6月のEU首脳会議に最終報告書を提出する予定のようだ。

 

日本の場合は、各電力会社は、時間が無かったなどと言い訳することなく、大震災の教訓を踏まえて、まじめにテストを実施して、保安院に、評価書を提出しているとは思うが、EUの二の舞を演じてはいまいか、と疑いたくもなるニュースだ。

変な言い方だが、原発事故の本家本元は、日本なのだ。EUのストレステストなどの横文字に惑わされることなく、事故当事者としての責任で、十分な対策と評価を行い、安全性を再確認する模範を示すべきであり、それが、再稼働への道にも繋がると思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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立春と四季の変化 おまけ編

2012年02月06日 22時43分04秒 | 日記

2012年2月6日(月) 立春と四季の変化 おまけ編

 

 

昨日、当ブログに

     立春と四季の変化 (2012/2/5)

という記事を載せた。四季の変化と、地球の公転軌道や、地軸の傾きとの関連について、調査し、整理したものだ。

その作業の過程で、太陽の周りを廻る地球の公転軌道が、楕円軌道と言うことから、いつもの悪い癖で、楕円の定義と、そこから、楕円の方程式を求める事に、興味をそそられてしまった。

 

円と楕円の定義と、代数学での方程式は、それぞれ、以下のようになっている。

 

 円  定点(中心)からの距離が一定(a)

+y=a              

         

 楕円 2定点(焦点)からの距離の和が一定(2a)

/a+y/b=1    

 

円については、円の中心を、座標軸の原点に採ると、ピタゴラスの定理から、上記の方程式は簡単に得られる。

 

一方、楕円については、これまで、二つの焦点からの距離の和が一定な点の軌跡ということで、長さが一定な紐を使って作図した事もある。一方で、方程式についても、知ってはいたのだが、両者の関係については、明らかにした経験は無かった。ものはついでと、楕円の定義から、方程式を導き出す作業をやってみたのだが、これが、結構、面倒であった。

 

下図は、前回の記事と同じものだが、焦点F1に太陽Sがあり、楕円軌道上に地球Eがある。移動する地球の座標を(x、y)とし、原点Oから焦点までの距離をcとすると、焦点F1、F2から、Eまでの距離L1、L2は、以下のように表わされる。

 L1=√((x-c)+y

 L2=√((x+c)+y

 

ここで、距離の和の一定値は、定義より2aであることから、次の式が成り立たねばならない。

  L1+L2=2a

即ち

 √((x-c)+y)+√((x+c)+y)=2a

となる。

 

この等式から平方根√を外すのに、このまま二乗するのではなく、以下のように、先ず、半分を右辺に移す。

√((x-c)+y)=2a-√((x+c)+y

ここで、両辺を二乗すると

  (x-c)+y=4a-4a√((x+c)+y)+(x+c)+y

展開して整理すると 

   -2cx+=4a-4a√((x+c)+y)+

                          +2cx+

-4cx-4a=-4a√((x+c)+y

両辺を入れ替え、4で割ると、以下になる。

a√((x+c)+y)=cx+a

 

更に、両辺を二乗すると、√が無くなり、

   a((x+c)+y)=(cx+a

展開すると

   a(x2cx+c+y)=c2acx+a

となり、整理し、x,yを左辺に、定数を右辺に移動すると

 (a-c)x+a=a-a

=a(a-c

となる。

 

ここで、

  a-c=b2   

と、aとcによって決まる、定数bを導入すると、以下の式になり

  b+a=a

両辺を、aで割ると

  x/a+y/b=1

となって、綺麗な、楕円の方程式が得られる。

この式で、y=0の時は、x=a(長軸)、x=0の時は、y=b(短軸)となる。

言うまでも無く、a=bの時は

  x+y=a  

の円の方程式となる。

 

ここで、a-c=b2  と置き換えたことの意味を考えると、この式は、

=b2 +c

となり、短軸bのY軸交点、原点O、焦点F1とで出来る、直角三角形の3辺の関係を表していて、F1と短軸bのY軸交点間の長さが、長軸aに等しい事を示している。

言いかえれば、楕円の、長軸a、短軸b、中心から焦点までの距離cの間で、ピタゴラスの定理が成り立つことを表している。これは、楕円の面白い性質であろうか。

楕円には、他に、扁平度を表す数値、離心率e

  

e=√(1-(b/a)

                                                           

等も定義されているが、省略する。

 

ここまで来るのに、自力では、√の処理が、中々旨く行かず、苦戦したのだが、ネットからの情報の御蔭で、綺麗な方程式が得られたものだ。

先の記事の本文では、四季の変化と楕円軌道は、ほぼ無関係と言うことになり、折角の作業が、あまり意味が無くなってしまったのだが、おまけ編として、本記事にしている。

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立春と四季の変化

2012年02月05日 22時50分39秒 | 日記

2012年2月5日(日) 立春と四季の変化

 

 

昨日は、24節気の立春だったが、今日は、まだまだ寒さは続くようだ。 

一昨夜は、節分と言うことで、例年のように、炒り豆を用意して、豆蒔きをやったが、加えて今回は、例年に無かったのだが、家人が太巻き寿司(恵方巻)を作った。最近は、関東エリアでも、多くの店で、恵方巻の看板が目立っている。

今年の干支では、歳徳神のいる方角は北北西ということなので、初体験ながら、そちらの方向を向いて、じっと無言で、恵方巻を頬張り、食べ終わるまでの時間、願い事が沢山出来た次第である。

 

立春は、古来、万物が動き出す希望の春を告げるということで、最も重視された節気で、農作業などでは、この日から数えて、何日目、という言い方が多い。わが国には、春・夏・秋・冬の、明確な四季があることは、嬉しい限りで、なんと素晴らしい事だろうか。

四季に関しては、生き物や年中行事をはじめとして、話題には事欠かないのだが、芸術の分野などでも、以下の様なものが思い浮かぶ。

音楽  弦楽四重奏 四季(ヴィヴァルディ)

    筝曲 四季の眺め(松浦検校) 四季の調(今井慶松)

歌謡曲 四季の歌(芹 洋子)

演劇  劇団 四季

ホテル Fourseasons

    

地球上で、四季が生まれるのは、どの様な仕組みによるものだろうか。 

自分は、これまで、地球の公転が、楕円軌道のため、太陽と地球の距離が変化することで四季が出来る、となんとなく思っていた。 所が、この正月に、孫を連れて里帰りした息子は、話の中で、地球が傾いている事が、四季が出来る理由であると、ある時気付いた、と言う。太陽の周りを回る地球の公転面に対して、地軸が、23度26分傾いているためである、と言うのだ。

地球上では、四季の変化がある主な地域は、温帯と言われるが、ネット等でも、地軸の傾きが、四季の原因と、説明されているものが多いのだが、果たしてどうなのであろうか。

今回は、四季の原因について、地球の軌道が楕円軌道である、という要因と、地軸が傾いているという要因、について調べて見た。

 

地球は、太陽の周りを、1年365日かかって公転している訳だが、その軌道は、円軌道でなく、楕円軌道であると言われている。

ものの本によれば、太陽系を回る地球の運動について、ケプラーが、天体観測から、太陽を焦点とする、楕円軌道である事を発見し(ケプラーの第一法則)、その後の、ニュートンの万有引力の法則につながるのだが、この万有引力を太陽系に当てはめると、太陽が、地球を含めた惑星の、楕円軌道の焦点に位置していることが、理論的にも、観測上も、証明出来ていると言う。

同様に、万有引力によって支配されている、地球上を回る人工衛星の軌道も、地球が焦点となる楕円軌道で回っている、という。

 

ここで、改めて、円と楕円の違いをみると

円  定点(中心)からの距離が一定              

   楕円 2定点(焦点)からの距離の和が一定

となる。円は、楕円の焦点が一つに重なった、特殊形と言える。

下図は、太陽の周りを、楕円軌道で公転している地球を表したもので、焦点F1の位置に太陽があり、軌道上に地球がある。

 

 

 

楕円軌道で公転する地球の、太陽との間の距離を見ると、平均距離は、約1億5000万km(1.4959787×1011m 1天文単位)で、最も遠い時(遠日点 距離はa+c)と、最も近い時(近日点 距離はa-c)とでは、約500万kmも違うと言う。

これにより、太陽から地球が受ける輻射エネルギーが変化し、これにより、寒暖の差がある四季が出来る、と考えられる。

又、仮に円軌道であれば、距離は一定なので、輻射エネルギーの量は変化せず、季節が無いことになる。

 

一方、地軸が公転面に対して傾いていることによる、変化はどう考えればよいか。

楕円軌道の場合は、地球の半径は約6400kmだから、地軸の傾きによる太陽からの距離の変化は、1万kmのオーダー程度で、公転自体による距離の変化、500万kmに比べて、誤差の範囲なのである。

円軌道の場合についても、地軸の傾きによる、地球と太陽との距離の変化は、同様に無視できる。 以上、地軸の傾きによる、太陽と地球との距離の変化は、僅小なのである。

 

この説明は、一見合理的に見える。が、太陽からの距離が、殆ど同じと言える、地球上の各地の温度が、緯度によって、大きく変わっている現実があるのはなぜか、説明がつかない。

そして決定的に驚いたのは、日本では、上述の近日点が、真夏でなく真冬の1月2日頃、遠日点が、真冬でなく、真夏の7月2日頃というではないか! 地球の地表面や空気が暖まったり冷えたりするのに多少時間はかかるにしても、余りにもズレが大きいのだ。

これらのことから、太陽と地球との距離の変化が四季をもたらす、という説は、根本から、見直す必要があるのだ。 

 

然らば、季節変化の決定的に大きな要因は、何かと言えば、調べた結果、太陽からの距離ではなく、地上で太陽が見える高さ(南中高度)、日射角度である、事が分って来た。

緯度0度の赤道上空では、真上に太陽があり、猛暑となるとともに、緯度が高くなるにつれて、南中高度は低くなり、次第に、受けるエネルギーも少なくなり、極地では、太陽が全く昇らない、極夜もあることとなる。

太陽が見えている場合、高度が高いほど日射量が多く、高度が低いほど少ない、というのは経験的には分っているが、なぜなのか。大元の太陽から出てくる輻射エネルギーは同じでも、太陽高度が低いほど、地上に到達するまでに、散乱したり、大気等に吸収されてしまう、等が原因と考えられるが、今後の要調査事項である。

 

地軸が傾いている事により、太陽が真上にくる地域が、公転の位置で変化し、北半球で言えば、夏期は北回帰線(北緯23度26分)まで、冬は南回帰線(南緯23度26分)まで移動するのだが、前述のように、太陽と地球との間の距離は殆ど変わらないのだ。

地軸に傾きがあるために、地球の公転中に、太陽が見える高さ(南中高度)、日射角度が変化し、温度変化から、季節が生まれるというのは、不思議な感じもある。地軸の傾きは、春を呼び、四季の変化を司る、女神の様な存在と言えるかも知れない。

 

ネット情報によれば、日本における南中高度は以下と言う。

  冬至(12/21頃) 31.6度

  春分(3/20頃)  55  度

夏至(6/21頃)  78.4度

秋分(9/22頃)  55  度

残念ながら、南中高度、日射角度と得られる輻射エネルギーの関係を、定量的に表したグラフは見つからなかったが、緯度が高くなるにつれて、急激に減少すると思われる。

上記の数字は、太陽光発電では、非常に大事なもので、発電パネルは、季節により、時間により、太陽を完全に追尾するのが理想的だが、そのためにエネルギーが要る、というジレンマもある。

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